EU離脱の国民投票で、離脱派が事前の予想を覆し、離脱を決めました。マスコミ、調査会社、エコノミストなど、ほとんどが残留を予想していました。
日本でも、証券関係者は、口では選挙は結果が読めないといいつつも、心の中では残留を決めていたのです。
したがって対案が出てきません。右往左往するだけで、先が読めない中、とりあえずの対策として、株と為替だけが大幅に下げてしまいました。
選挙は、結果が読めないことを実証したのです。とはいっても株価は待ってくれません。リーマンショック並みに下げるのでしょうか。
今回の下げは、日本だけが突出して大きいこと、リスクオフが商品には、あまり波及しなかったことがあげられます。金は反発し、原油もそれほど下がっていません。金融機関への影響は、リーマンショックの時とはだいぶ違います。
ここで各国が協調すれば、一時的なショックにとどまり、回復は早いという見方もあります。
日本市場は、イングランドのEU離脱投票以前から突出して下げ、さらに今回の下げです。ファンダメンタルから見ても、現在の為替水準であれば、割安感がはっきりしています。
ここで買いを入れたいところですが……。
もう少し眠っていても、いいような気がします。
というのも、まだ選挙が二つ残っています。7月10日の参議院選挙と、11月のアメリカ大統領選挙です。事前の予想は出ていますが、あてになりません。
国民は、差し迫った危機に対しては、はなはだ鈍感で、その時の気分で180度考え方が変わってしまうのです。
このような、気まぐれな国民の選挙でなり立っている民主主義の弱さが、露呈したのです。マスコミの論調も、都度コロコロ変わり、マスコミがいう国民の声に従って政治が動けば、お隣の韓国のように、政治が結論を出すことができなくなってしまいます。
株式投資で最も大切なことは、相場の流れを読みいい株を見つけることです。それを作るのが政治の役割なのです。
残念ながら今の情勢は、選挙の結果待ちで、政治の世界からは有効な手段が取れません。対策の遅れが、不況を招き、株価の下落が輪をかけて、不況、デフレの克服はおろか、選挙不況に陥ってしまいます。
今回の参議院選挙は、結果が政権の交代を意味しないかもしれませんが、もし与党が過半数を割れば、政権内部での抗争が激化し、かっての民主党政権のように、毎年首相が変わるという不安定な政治形態に逆戻りしてしまいます。
株価はこのように事態を織り込んで、模様眺めとなりそうです。その後の反転は、参議院選挙の結果がはっきりするまでは期待できそうにありません。
「投資環境は政治が作る」のですが、政治は選挙次第だということを改めて考えさせられました。