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5月19日の海外株式・債券・為替・商品市場
5月19日の海外株式・債券・為替・商品市場
欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。
◎NY外為:ドル、週間で3週連続高の勢い-追加利上げ観測高まる
19日のニューヨーク外国為替市場でドルが上昇。週間ベースで3週 連続高と、ここ4カ月で最長連続高となる見通しだ。米金融政策当局が 来月にも利上げするとの観測が背景だ。
ドルは主要通貨の大半に対して上昇。ニューヨーク連銀のダドリー 総裁は6月の連邦公開市場委員会(FOMC)が「ライブ」の会合にな ると述べたほか、リッチモンド連銀のラッカー総裁が「6月に金利を引 き上げる根拠は非常に強いと考えられる」と述べた。新興市場通貨は下 げた。
ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、エリック・ビロリア氏(ニ ューヨーク在勤)は「市場は年内利上げ見通しを再び織り込み始めてい る。この期待の変化はドルにとっての支援材料となっている」と述べ、 「しかしその見方はすぐに変化する可能性もある。米金融政策当局はな おデータ依存の姿勢を示しており、金融政策当局が利上げするには引き 続きデータの改善が必要となるだろう」と続けた。
ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット 指数は0.1%上昇。円は対ドルで0.2%上昇して1ドル=109円96銭。
前日のドルはFOMC議事録に反応しユーロに対して0.9%高、対 円では1%高をつけた。議事録では金融政策への言及で「6月」が6度 使用されていた。
ブルームバーグがまとめたフェデラルファンド(FF)金利先物動 向を基にしたデータによれば、6月のFOMC会合で利上げが決定され る確率は30%と織り込まれている。前週末はわずか4%だった。ダブル ライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者 (CEO)によれば、データが弱くならない限り米金融当局は利上げす る見通しで、これまでの景気改善を待つ姿勢から変化した。
商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファン ドは主要8通貨に対するドルの下落見通しを後退させた。ドルはユーロ に対して過去2年間で20%以上値上がりした。ストラテジストらはドル が年末まで現在の1ユーロ=1.12ドル付近を維持するとみている。
◎米国株:主要株価指数が下落-利上げ観測で成長不安が広がる
19日の米株式相場は下落。S&P500種株価指数は7週ぶり安値と なった。米金融当局が6月にも政策金利を引き上げ、低調な世界経済の 負担を重くするとの懸念が広がった。
午後に入りドル指数が伸び悩むにつれ、株式相場は下げを縮めた。 前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で当局者らの タカ派寄りの認識が示されたことで、ドルは上げを拡大し、商品価格の ほか、ドル高により売上高が目減りする可能性のある多国籍企業には下 押し圧力となっていた。個別銘柄ではこの日、ウォルマート・ストアー ズが予想を上回る決算を受けて7年で最大の上げとなった。
S&P500種株価指数は前日比0.4%安の2040.04。ダウ工業株30種 平均は91.22ドル(0.5%)安の17435.40ドル。
ナショナル・ペン・インベスターズ・トラスト(ペンシルベニア州 ワイオミッシング)のシニア株式運用者、テリー・モリス氏は「きのう からの流れで、現実にしろ市場の捉え方にしろ、利上げリスクというの が弱材料になっている」とし、「経済は脆弱(ぜいじゃく)で、利上げ が実施されれば窮地に追い込まれる恐れがある。利上げが実施された場 合、経済が支えられなくなるとの不安が広がっている」と続けた。
前日公表されたFOMC4月会合の議事録では、経済の改善が続い た場合は6月の利上げが適切になるとの当局者の認識が示され、S& P500種の日中の変動はここ3週間で最大となった。
USバンクのプライベート・クライアント・リザーブでシニアポー トフォリオマネジャーを務めるエリック・ウィーガンド氏は、「4月会 合の議事録はよりタカ派寄りと解釈された可能性が高く、6月もしくは 7月の利上げ公算は大きい」と指摘。「きのうは市場の反応がやや抑え られた。その後の動きを見ても、引き続き消化中であることが分かる。 商品価格に見られるボラティリティも、利上げをめぐる懸念の副産物 だ」と分析した。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は2.4%上昇し16.33と、2カ月ぶりの高水準。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、連邦公開市場委員会は向こう 2会合のどちらかにおける利上げに近づきつつあるとした上で、そのメ ッセージが金融市場に届くのは望ましいニュースだとの認識を示した。 またリッチモンド連銀のラッカー総裁はブルームバーグラジオのインタ ビューで、「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」 と述べた。
先物トレーダーらが織り込む6月利上げの確率は現在30%。今週初 めの時点では4%だった。7月の確率は48%。確率が50%以上となるの は9月以降だ。
S&P500種の業種別10指数では6指数が下落。特にヘルスケアや 金融、資本財・サービスの下げが目立った。一方で公益や生活必需品株 の指数は上げた。
◎米国債:小幅高、ブラックロックなどが利上げ近いと指摘
19日の米国債相場は小幅ながら4日ぶりに上昇。ダブルライン・キ ャピタルとブラックロックは国債市場にとって再び利上げを織り込み始 める時期だと指摘した。
前日は4月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で景気回復が 続けば6月の利上げを検討すると言及されたため、大幅安となった。ニ ューヨーク連銀のダドリー総裁はこの日、FOMCは向こう2会合のど ちらかにおける利上げに近づきつつあるとした上で、そのメッセージが 金融市場に届き始めたことは歓迎すべきニュースだと述べた。
国債市場は6月利上げの可能性を事実上、排除していたため、前日 は不意を突かれた格好となった。ダブルライン・キャピタル最高経営責 任者(CEO)のジェフリー・ガンドラック氏は19日の電子メールで、 FOMCは経済データが利上げを正当化するほど強いと示唆していると 指摘。ブラックロックのグローバル債券担当の最高投資責任者 (CIO)、リック・リーダー氏は英国が欧州連合(EU)に残留する かどうかを決める6月23日の英国民投票の結果を見極めるため、 FOMCは7月まで待つ可能性が高いと指摘した。
ガンドラック氏は「FOMCは『データが改善すれば利上げに青信 号』から『データが弱くならない限り、利上げに青信号』にシフトし た」との見解を示した。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、2年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の0.89%。同年債(表面利率0.75%、2018年4月償 還)の価格は1/32高の99 3/4。10年債利回りは1bp未満低下 の1.85%。
ブルームバーグ米国債指数のデータによれば、期間が1年を超える 米国債の今月のリターンはマイナス0.3%。年初からではプラス2.7%と なっている。
金利先物市場が示唆する6月14ー15日のFOMCでの利上げ確率 は30%。16日の4%から上昇した。この算出は利上げ後に実効フェデラ ルファンド(FF)金利がFOMCの新たなレンジの中間値になるとの 仮定に基づく。7月までの利上げ確率は48%。
PIMCOのグローバル戦略アドバイザー、リチャード・クラリダ 氏はこの日に掲載したブログで、「メッセージは受けとった。4月の議 事録と今後数週間の当局者発言は市場の期待を当局の意図に合わせる取 り組みだ」と指摘した。
失業率は金融危機以降の最低付近にあるが、インフレ期待は1.6% と当局目標である2%をなお下回っている。
ブラックロックのリーダー氏はブルームバーグテレビジョンとのイ ンタビューで、利上げは「7月の可能性が高い」と発言。「議事録は考 えられたよりもタカ派的だった」とし、今後2カ月の間には当局が吟味 する経済指標が数多く発表されると続けた。
◎NY金:3週間ぶり安値-FOMC議事録が6月利上げの可能性示唆
19日のニューヨーク金先物相場は続落。3週間ぶりの安値となっ た。連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録で、早ければ来月にも政 策金利が引き上げられる可能性が示唆されたことが背景。
コメルツ銀行のアナリスト、カルシュテン・フリッチ氏(フランク フルト在勤)は電話インタビューで、「6月利上げの可能性が突然戻っ てきたようだ」と指摘。「投機筋がすでに大幅な金ロングとなっていた ところに、リスク回避の広範な利益確定の動きが起こり、極端に積み上 がったネットロングが解消されている」と述べた。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日 比1.5%安の1オンス=1254.80ドルで終了。一時は1244.60ドルと、4 月28日以来の安値をつけた。
銀先物7月限は3.7%下げて16.493ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナとパラジウムも下落した。
◎NY原油:48ドル付近、ドル高一服とナイジェリア供給不安で
19日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物がほぼ変わらず、1バレル当たり48ドル 付近で引けた。ドル高が一服、ナイジェリアから供給障害を懸念させる ニュースが相次いだ。
トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の 市場リサーチ責任者、ゲーリー・カニンガム氏は「朝方に一時上昇して いたドルは少し勢いを失い、原油市場はそれに反応した」と指摘。「目 先の相場はこの近辺で浮動するだろう」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は3セ ント(0.06%)安い1バレル=48.16ドルで終了。6月限は20日が最終 取引。中心限月である7月限はこの日、11セント安の48.67ドル。ロン ドンICEのブレント7月限は12セント下げて48.81ドル。
原題:Oil Closes Near $48 Amid Easing Dollar Gains, Nigeria Violence(抜粋)
◎欧州株:反落、米利上げ見通しで2週間ぶりの大幅安
19日の欧州株式相場は反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)議 事録で、経済の改善が続いた場合は6月の利上げが適切になるとの政策 担当者の見解が明らかになり、相場を冷やした。
指標のストックス欧州600指数は前日比1.1%安の333.91と、2週間 ぶりの大幅な下げ。業種別では金属価格の下落を受けて鉱業株が売られ た。銀生産会社フレスニージョと鉄鋼メーカーのアルセロールミタルは それぞれ大幅安に沈んだ。
ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フ ォンメーレン氏は「今年と来年の利上げ見通しについて市場の無頓着な 姿勢がやや過剰になりつつあったところ、FOMCの議事録がタカ派寄 りだったために、投資家は神経質になった」と指摘、「株式市場にも悪 影響が及んでいる」と述べた。
個別では、企業の買収・合併(M&A)絡みで動く銘柄が目立っ た。ドイツの製薬会社バイエルは8.2%安と急落。種子開発最大手の米 モンサントに一方的な買収提案をしたことが明らかになったが、株価は 否定的な反応を示した。石油・ガスサービスを手がけるフランスのテク ニップは6.3%高。米FMCテクノロジーズとの合併合意が好感され た。
◎欧州債:ドイツ債ほぼ変わらず-米利上げ観測による下げを消す
19日の欧州債市場ではドイツ国債がほぼ変わらずとなった。米当局 者のタカ派的姿勢で一時下げたものの、欧州中央銀行(ECB)の緩和 策が重視された。
ドイツ10年債利回りは一時、2週間ぶりの高水準に達した。18日公 表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、経済指標が強め の成長とインフレを示唆すれば6月の利上げが正当化されるだろうとの 認識を大半の政策当局者が示した。ユーロ圏の国債利回りはECBによ る異例の国債購入プログラムで既に抑えられていたが、ECBが19日公 表した4月の政策委員会議事要旨があらためて押し下げた。委員会はデ フレ圧力が根強い中、構造改革に「重大な欠陥」があると警告した。
キャンター・フィッツジェラルドの債券ストラテジスト、オーウェ ン・カラン氏(ダブリン在勤)は「ドイツ国債は前日発表された FOMC議事録で下げた分を戻しただけだ」と指摘。ECB議事要旨は 「ユーロ圏全体の国債に支援材料となったが、過去24時間にわたる利回 りとリスク資産のボラティリティはほぼFOMC議事録が要因だった」 と語った。
ロンドン時間午後4時14分現在、ドイツ10年債利回りは前日比ほぼ 変わらずの0.17%。5日以来の高水準となる0.21%に達する場面もあっ た。同国債(表面利率0.5%、2026年2月償還)価格は103.22。フラン ス10年債利回りは0.51%だった。