《独り言》
損保三社が決算発表をしました。
金融機関の中では生保や銀行よりも良い印象。
理由は、
①債券での運用が相対的に少なく、低金利の影響を相対的に受けにくい。
②主力の自動車保険の損害率が改善傾向にある
③拡大を進める海外保険事業の利益貢献化伸展
④そもそも資本の十分性が高いため、自社株買いなどの株主還元などの資本政策が積極的
というところである。
という中でポジティブサプライズがあったのは損保ジャパン日本興亜ホールディングス。
損保ジャパンは
・総還元性向を50%としており
・発行済み株式数に対して4.14%を上限とする自社株買いを実施する
と公表。来期も増益予想であり、シンプルな資本政策上、今後も十分な株主還元が見込める状態にある。
MS&ADも自社株買いをするとしているが、損保ジャパン対比では見劣りする。
東京海上の利益水準は相対的に高い水準にあるが、事業投資を想定しているのか自社株買いが行われない。
やはり相対的には損保ジャパンの資本政策が相対的にポジティブに評価されるとみている。
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決算で確認できたポイント、利益水準や資本政策の状況は以下の通り。
<ポイント>
・資産運用収益は低金利下で厳しいようだが基本的には増益・増配傾向。
・利益改善の要因が主力自動車保険の損害率の改善。
自動車保険は国内損害保険事業の50%を超えるほどの規模となるが、昨今の自動車運転の事故防止の技術進歩により自動車事故は減少傾向にある模様である。
・海外事業の拡大による利益貢献
<損保各社の利益水準と資本政策>
27/3月期 28/3月期 29/3月期予想
東京海上
修正純利益 3233億円 3519億円 3880億円
配当 95円 110円 135円
自社株買い(上限) - - 未定
- - 未定
MS&AD
グループコア利益 1557億円 1475億円 1960億円
配当 65円 90円 100円
自社株買い(上限)1.63% 0.83% 未定
200億円 100億円 未定
損保ジャパン
修正利益 779億円 1161億円 1260億円
配当 70円 80円 80円
自社株買い(上限)1.51% 4.14% 未定
185億円 335億円 未定
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(注)投資判断はご自身でお願いします。