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備忘録 日経記事 円高が1兆円超す減益要因に
《備忘録》
日経新聞が円高が業績の重荷になるとしてその影響を記事にしています。
ポイントは以下の通り。
・主要輸出企業25社の今年度の業績は円高により1兆1400億円の減益要因。
・1ドル=105円、1ユーロ=120円ならば1兆7500億円近いマイナス要因。
・製品や原材料を輸入する小売りは円高が追い風となるが全体ではネガティブ。
なお、東京電力は1円の円高で120億円の利益押し上げ要因。
・ソニーは一円の円高が70億円のプラスをもたらす。
・企業のドル円想定レート
ドル円 ユーロ円
パナソニック 115円 125円
マツダ 110円 125円
川崎重工業 110円 125円
安川電機 110円 125円
富士フィルム 110円 125円
リコー 110円 125円
TDK 110円 125円
コマツ 105円 119円
ファナック 105円 115円
三菱電機 105円 120円
なお、円高がメリットとなる企業については以下で電力、空運、紙、小売りなどの数社確認されている。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/20101019/#skip02
<本文>
円高の急速な進行が上場企業の業績の重荷になりそうだ。円相場は足元で1ドル=106円程度まで上昇し、2016年度を通じて同程度の円高が続けば主力輸出企業の利益には1兆数千億円規模の押し下げ圧力がかかる。小売りなど一部の企業には追い風となるものの、全体ではマイナスの影響が上回り、企業業績の下振れリスクが高まっている。(関連記事総合2面に)
トヨタ自動車やコマツなど主要な輸出企業25社の今年度の連結営業利益への円高の影響を試算した。今年度の想定為替レート(総合2面きょうのことば)は1ドル=110円、1ユーロ=125円に設定する企業が目立つ。実勢より円安だが、それでも前年度比で1兆1400億円の減益要因が生じる。
足元の円相場に近い1ドル=106円、1ユーロ=121円では1兆6300億円弱、より円高が進んで1ドル=105円、1ユーロ=120円なら1兆7500億円近いマイナス要因となる。この場合、円高の悪影響は3月期企業の前期の営業利益全体(現時点の推定で約31兆円)の5%強に達する。
自動車への打撃が深刻で、1ドル=110円前提で大手7社の減益要因は8000億円強にのぼる。トヨタはドル円相場の変動の影響が大きく、1ドル=110円なら4000億円、105円なら6000億円営業利益が目減りする。トヨタの主要グループ会社には想定レートを105円に設定する例が目立つ。
輸出比率が約8割と高いマツダの円高による減益要因は810億円。営業利益の想定は25%減の1700億円で、円高がなければ増益が見込めた。三菱電機の今期も「円高がなければ増益の計画だった」(松山彰宏専務執行役)。工場の効率化などに使われる自動化用機器が好調だが、円高の悪影響を織り込んで営業利益は14%減と見込む。円高基調が続けば、「本業は好調なのに減益」というケースが相次ぐ可能性がある。
製品・原材料を輸入する小売りや電力などには円高が追い風になる。東京電力ホールディングスの場合、前期は対ドルで1円の円高が燃料費を120億円程度減らす要因だった。ただ、上場企業の利益の6割強は自動車などの製造業が稼ぎ、円高は全体では逆風だ。ドル・ユーロがともに1円円高になると主要企業200社の経常利益は0.6%目減りすると大和証券は試算。1ドル=105円、1ユーロ=115円まで円高が進めば、「主要200社の経常利益は2%減となる」(高橋和宏株式ストラテジスト)。
08年の金融危機以降、円高基調が長引き、輸出企業の多くは円高抵抗力を高めてきた。
ソニーは09年3月期には対ドルで1円の円高が40億円の減益要因だったが、ドル建ての仕入れの拡大などで収益構造を転換。12年3月期に円高の影響がゼロになり、今は1円の円高がむしろ70億円のプラスだ。
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