4連騰した割には下げが小さい

優利加さん
優利加さん
先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +21.23 @18,003.75, NASDAQ -39.66
@4,906.23)。ドル円為替レートは111円台前半の円安方向へ動いた。本日の日本株全般は下げた。東証1部では、上昇銘柄数が704に対して、下落銘柄数は1,097となった。騰落レシオは110.29%。東証1部の売買代金は2兆2600億円。

TOPIX
-6 @1,402
日経平均 -133円
@17,439円

円安が進行したが、前週末にかけて4営業日連続で日経平均は約1,300円も上昇したため高値警戒感が強まり、本日は手仕舞い売りが優勢となった。しかし、日経平均は。日銀の追加金融緩和を見込んで株式を買う「日銀プレー」が途切れなかったためだ。日銀が4月27~28日の金融政策決定会合で追加の金融緩和に動くとの期待感が膨らんでいる。国債やETFなどの買い入れ枠拡大やマイナス金利幅の拡大だけに留まらず、「金融機関へのマイナス金利での貸し出し」まで飛び出してきた。

「マイナス金利での貸し出し」は欧州中央銀行ECBの新型の長期資金供給オペ(TLTRO)にならったものだが、
欧州で新型TLTROを通じてマイナス金利での資金供給が始まるのは6月なので、まだ効果が検証されたわけではない。しかし、日銀が金融機関へマイナス金利で貸出すれば、中小企業向けの金利が下がる可能性が高い。大手企業への融資金利は一般的に市場金利連動だが、中小企業向けは短プラ連動であることが多い。短プラは2009年からずっと一定水準のままでマイナス金利導入後も下がっていない。
その結果、短プラが下がらないために、金利低下の恩恵が大企業に限定され、中小企業は低金利の恩恵を受けられないままである。

円相場が円安方向へ振れている。その理由の一つがIMM通貨先物ポジションの建玉残にある。19日時点で投機筋による円の買越残高は7万1870枚と過去最高水準に積み上がった。

http://zai.diamond.jp/list/fxmarket/imm

日銀の追加緩和期待が高まる中で、円買い・ドル売りの持ち高に巻き戻しが起こっていると推察できる。投機筋が円売りを仕掛け心理的節目とされた1ドル=110円を一旦ブレークすると、そこに新たな支持線が意識・設定される。もはや「実質実効為替レート」、「購買力平価」などの経済理論より、市場の力学が優先するのが相場の現実である。高速取引が席巻するパワーゲームの市場では、理論は短期的には無力である。

目先は円安・株高が期待できるが、中長期的視点で考えると、企業収益を改善させるには金融政策だけでは力不足であることは明白だ。日銀による金融政策だけでなく、補正予算を含む財政出動、さらには消費税の先送り・凍結といった企業業績を支える政府の固い決意が求められる。

33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、パルプ・紙(1位)、情報・通信(2位)、鉱業(3位)、海運(4位)、食料品(5位)となった。


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