ユリウスさんのブログ

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古い友達への手紙  -原子力問題の見解の相違-

 古い友達から、久しぶりに手紙をもらった。彼はメールを使わない。なので、主に彼からは手紙、当方は電話という、ちょっと変わった情報伝達方式の友達です。

 彼は生物学者でかつハンターでもあるので、イノシシ肉や鹿肉をいただくこともよくある。最近の山の動植物の状態や毒キノコの判定法を教わったりもする。

 今回は電話では情報交換が不十分だった。メールと添付資料で片づけたかったが、相手はパソコンの画面は見たくないという我が儘者。やむを得ず手紙と資料とを追加送付した。



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H 様

 いつもラブレター、ありがとうございます。

 この間のレターは原子力発電所の問題でした。特に「政府がメルトダウンを隠している」という世の中の意見とあなたが同意見で大層ご不満だということが分かりましたので、これを書いてます。

 僕が手元に持っている資料にもとずき、事実を書きます。ご自分でご判断願います。

1 2011年3月12日20;50 緊急災害対策本部発表
11日14:47(事実) 原子炉スクラム {緊急停止したということです}
20:30(事実)  RCIC停止 {原子炉への注水機能喪失}
21:50(水位計復活) 燃料上部より3mの水位
22:50(予測) 炉心露出{空焚きのはじまり}
23:50(予測)  燃料被覆管破損 {メルトダウン初期}
24:50(予測)  燃料溶融 {英語ではメルトダウン}

2 この事実と予測に基づいて(原子炉水位が確認できない。原子炉水位低下により放射性物質が放出される恐れがある)政府は「発電所から半径3Km以内の住民に避難命令、3Km~10Kmの住民に自宅待機の指示。
※{ }内は小生が追加しました。


 上記はだれでも閲覧できるように、当時、Web上においてありましたよ。僕は毎日対策本部から発表される情報をプリントアウトして、発電所で何が起こっており、何が問題なのか、科学的知見と専門家の意見をもとに自分の頭で考えるように努めていました。その時も今も、一番頼りがいのある方は大前研一氏でした。


※ 「メルトダウン」という表現はいたずらに市民の不安を煽るということで、この後は「炉心損傷」という表現が用いられるようになりました。(笑)
こういう言葉の言い替えは、困難な事実に直面すると不安にかられてパニックに陥る国民を慮ってよく行われていますね。ナンセンスもいいとこですけど…。

(例)
1 「ガン、癌」 → 腫瘍(悪性もあれば良性もある。最近、癌も治癒する病気だと思われてきたので、ガンも使われるようになった)

2 「放射線医用画像診断装置」 → 画像診断装置(患者は磁気共鳴による診断か、ガンマ線放射線診断かわからん)



The most courageous act is still to think for yourself. Aloud.
-Coco Chanel(1883-1971)-
(意訳)今もなお最も勇気のいる行動とは、自分の頭で考え続けることであう。そしてそれを声に出すことだ。



 同封の資料-1&2は、ネットにアップしている僕のBlog「もの言う翔年」(閲覧者累計、現在397,909人)のごく一部です。何かの参考になれば幸いです。

 釈迦に説法になっていたらゴメンナサイ。

                            2016/04/23
    署名

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 来週あたり、また長い手紙がくるかも知れません。(苦笑)




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