潮目が変わってきた ~ 外国人投資家が買い越しに転じた

優利加さん
優利加さん

昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +18.15 @17,926.43, NASDAQ -1.53
@4,945.89)。ドル円為替レートは109円台半ばの推移。材料不足と3日大幅続伸した後だけに、やはり本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が565に対して、下落銘柄数は1,262となった。騰落レシオは104.66%へ下げた。東証1部の売買代金は2兆592億円。

TOPIX
-10 @1,361
日経平均 -63円
@16,848円

米国株は高安まちまちで材料不足な中、3日連騰で大幅高となった直後だけに、本日のTOPIXも日経平均も小幅反落した。どちらも昨日の時点で明確に25日移動平均線を回復している。日経平均で見ると、17,000円前後の価格帯は滞留期間が3月3日から3月31日まであり、累積売買高が積み上がっている。この価格帯はある意味でしこり玉の雲である。そして現在はそのしこり玉の雲の目前まで戻してきた。来週以降、この雲を一気に上に突き抜けるかどうかに注目したい。

円高が一服し原油相場も上昇基調を維持している。さらに日本株の売買シェアの約6~7割を占める海外投資家の売りが止まった。投資主体別売買動向をチェックしてみると、海外投資家は4月第1週に日本株を14週ぶりに買い越している。これに加えて、日銀や政府による政策期待が高まっているため、売り方はこれ以上売り込みにくいと判断したはずである。http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/gai.cgi

今週後半からのリバウンドには円高懸念の後退と政策期待という2つの背景がある。米国では先週後半から米国債利回りが上昇に転じており、ドル売り・円買いの流れに歯止めをかけた。畳み掛けるように、13日の夜にはニューヨーク市内での講演で、黒田日銀総裁は緩和策について「技術的限界はない」と強調し、金利だけでなく、量と質の3次元で緩和余地があると自信を示した。なかなかの策士だと感心した。このはったりのような強気の発言が追加金融緩和を強く期待させた。

株価を大きく動かしそうなイベントが続く。4月14日に開幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議と、4月17日にカタール・ドーハで開かれる産油国会議の結果はどう出るか?円高是正の動きと原油反発の流れがどれだけ続くか?さらに、4月末からは3月決算企業の決算発表が本格化するが、来期予想がどの程度悪くなるのか?

33業種中27業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、銀行(2位)、電気機器(3位)、その他金融(4位)、輸送用機器(5位)となった。


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