円高一服で株価は反発

優利加さん
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昨日の米国株式相場は小幅反落した(DJIA -20.55 @17,556,41, NASDAQ -17.29
@4,833.40)。ドル円為替レートは108円台前半の円安方向へ動いた。これを好感して本日の日本株全般は反発した。東証1部では、上昇銘柄数が1,331に対して、下落銘柄数は515となった。騰落レシオは91.22%へ上昇。東証1部の売買代金は2兆848億円。

TOPIX
+20 @1,299
日経平均 +178円
@15,929円

直前4日間は円高の動きにもかかわらず明確に下げ渋っていたが、本日は円高進行が一服したことでTOPIXも日経平均も反発した。やはり、株式相場の鍵は円相場である。

安全資産とみなされる円は世界で何か不安なことが起こると買われやすい。中国経済の減速、原油相場の下落、新興国をはじめとする世界経済の減速懸念など、不安なことだらけである。だが、そのような不安だけが円高傾向の原因ではない。2012年後半から米国はドル高を容認してきたが、最近はドル高是正へ政策転換しているとの見方が強い。さらに、日本固有の事情も円高に拍車をかけている。東日本大震災で日本中の原発が停止し、火力発電のために化石燃料の輸入が急増したことで経常収支の赤字が続いていた。しかし、昨年7月初旬から始まった原油価格の急落(100ドル超⇒27ドル台)が経常収支の赤字を縮小してきた。これは明らかな円高要因である。米企業の収益悪化懸念もあり、円高・ドル安を加速しかねない。アベノミクスの異次元金融緩和による円安、株高の時期は明らかに終わった。これからは為替レートに依存しない日本経済・日本企業の真価が問われるはずだ。

33業種中27業種が上げた。上昇率トップ5は、銀行(1位)、証券(2位)、鉄鋼(3位)、海運(4位)、輸送用機器(5位)となった。直近で下げが大きかった業種のリターンリバーサルが起こっている。


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