[ブルームバーグ 3/14]
米国株に対する企業と個人の需要に前例を見ない乖離が生じている。
これは8年目に入った強気相場の下支えで自社株買いの動きがいかに重要であるかを示している。
S&P500種株価指数の構成企業による今四半期の自社株買いは最大1650億ドル(約18兆8000億円)に上る見込みで、2007年に記録した過去最高に接近している。
これに対し、投資信託や上場投資信託(ETF)の顧客による売りの動きは広がっており
1月以降に400億ドルが引き揚げられ、今四半期はこれまでで最大級の解約額となるペースだ。
過去に企業と個人の需要が乖離した際には株式相場の破滅を意味しなかったが
今年は米国株が過去最悪のスタートを切り、企業が決算発表シーズンで自社株買いから遠ざかったこの2カ月にその影響は珍しく鮮明になった。
企業収益が6年ぶりに3四半期連続で減少したため、自社株買いの持続性にも疑念が浮上している。
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株価の上昇に株主対策が大きな役割を担っていることは言うまでもありませんが
リーマンショック以降、上昇を続けて来たNY市場の自社株買いに陰りが見えることになれば
中期的な株価周期(7~10年)から考えて、NY市場が今年も堅調に推移するかどうかは
極めて微妙ではないかと感じます。
特に、今年は任期満了に伴う大統領選挙の年だけに
新しい大統領が決まり、新たな経済政策が示されるまでの期間
米国経済が減速しないことを願うしかありません。
一方で、東京市場は今年に入り、既に2兆円に上る自社株買いが発表されており
今年の総額は8兆円を上回ると予想されています。
<2016年に1000億円以上の自社株買いを発表した企業>
NTT 5000億円 (1/29)
ソフトバンク 5000億円(2/15)
日産自動車 4000億円(2/26)
新日鐵住金 1000億円(2/1)
こうした企業の株主対策は、クジラ軍団の買い支え以上に有力な株価対策に繋がると思いますが
マイナス金利政策の導入により、企業が余剰金を積み上げるとコストが増加するため
余剰資金の一部を自社株買いなどに回すのではないかという期待もある様です。
この様に、株主対策に関して、今年は日米間に温度差が生じる可能性があり
株価水準は別にして、N/N倍率がもう少し高くなる可能性はある様な気がします。