[日経新聞より転載]
3月は日本の大手企業の本決算が集中する。
海外支店や子会社の利益を本店に送るための外貨売り・円買いが膨らみやすい時期だ。
だからこそ、円相場も円高に進むと思われがちだが、実際は違う。
過去の3月中の円相場の動きをみてみると、2008年に大幅な円高になったのを最後に、09年以降は7年連続で円安に振れている。
「過去の平均をとってみても、3月中旬は円高に振れる場面が多いものの、下旬には円安が進む」(クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司氏)という。
企業による送金は概ね3月中旬までに一巡する傾向がある。
決算期末に向け「実需の円買い」の圧力が弱まる中で、「例年、期末が近づくと株高になり投資家のリスク選好が強まることが多く円売り・ドル買いも膨らみやすい」(斎藤氏)という。
このため3月の円相場は月末に向け円安に振れやすい。
しかし、まだ企業の実需買いの円高圧力は残っている。
今年は「年初来の円相場の乱高下によって先物などで円を調達する機会を失した企業が遅れて円買いに動く」(シティグループ証券の高島修氏)との指摘もある。
一方で円安要因は増えつつある。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が景気押し上げで合意して市場心理は大幅に改善。海外は株高傾向が目立つ。
「海外の機関投資家による円買い持ち高の解消が月末に向けて円安を後押しする」
(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏)との観測もある。
日本企業にとって本決算となる3月末は欧米企業にとっても四半期決算となり
海外投資家による損益確定の円売りが出やすい。
シカゴ市場では現在、円の買越額が12年以来、約4年ぶりの高水準となっていることから
月末に向けて円ロングの解消が進み、円相場の下落を後押しする可能性がありそうだ。
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つまり、東京市場は短期的に円安・株高が期待出来るということになりますが
来週予定されているFOMCで追加利上げが見送られ、年内あと1回という観測が強まれば
円安の足枷になる可能性があると思います。
一方で、日銀金融政策決定会合も気になるところですが
マイナス金利の副作用に配慮したともとれる先日のドラギ発言が
日銀のマイナス金利拡大に「待った!」をかけた格好になり
昨日は銀行株が買い戻される結果になりました。
これで日銀の持ち駒は「ETFの買い入れ枠拡大」に絞られた様な気もしますが
今の政府・日銀は、焦って何をやらかすか分からないという不安が残るので(^_^;)イイスギ
日米の両イベントが終了するまで、売買は控えたいと考えています。
(ご参考)
今週も投機的な円買いが増加しており、ポジション解消に伴う円安期待が膨らみます。
