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実質GDP年率1.1%減、予想外の上方修正

実質GDP年率1.1%減、予想外の上方修正-10~12月投資と在庫






昨年10-12月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質で前期比年率1.1%減と速報値(1.4%減)から上方修正された。設備投資と在庫が引き上げられて、予想外のマイナス幅縮小となった。

内閣府が8日発表したGDPは、前期比で0.3%減と速報値(0.4%減)から改定された。ブルームバーグの予想中央値は前期比0.4%減、年率1.5%減だった。

需要項目別では1日公表の法人企業統計を踏まえて設備投資が前期比1.5%増と速報値(1.4%増)から引き上げられた。一方で全体の約6割を占める個人消費は同0.9%減と速報値(0.8%減)から引き下げられた。

7-9月期は年率1.3%増から年率1.4%増に上方修正された。2015年度のGDPはマイナスとプラスを繰り返している。
年明け以降の円高や株安を受けて、1-3月期について楽観的な見方は少ない。こうした中で日本銀行は14、15日に金融政策決定会合を開く。


SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは、10-12月期について「マイナス幅は縮小したが需要項目はマイナスが多く、景気停滞との評価に変化はない」とリポートに記した。
1-3月期も企業センチメントを冷やす円高や株安、世界景気の減速懸念は収まらず、うるう年効果で若干のプラス成長となる可能性もあるとしながら「停滞か」と指摘した。
日銀は来週の会合で追加緩和をすると予想している。


10-12月期の法人企業統計では、ソフトウエアを除く設備投資は8.9%増と前期の11.2%増から伸びが縮小。季節調整済み前期比は0.0%減だった。
法人企業統計を受けて、同期の実質GDP成長率は中央値は下方修正だったが、上方修正されるとの見方もあった。




GDP改定値発表を受けて石原伸晃経済再生担当相は、消費は弱含みだが企業収益や所得・雇用環境は改善が進んでいるとして「日本経済のファンダメンタルズが良好であるということに変化があるとは認識はしていない」と述べた。



1-3月もマイナス成長の可能性


在庫のGDP全体に対する寄与度はマイナス0.0ポイントと速報値(マイナス0.1ポイント)から引き上げられた。
輸出から輸入を差し引いた純輸出(外需)の寄与度はプラス0.1ポイントと速報値と同じだった。
公共投資は3.4%減と速報値(2.7%減)から引き下げられた。


1月の鉱工業生産は前月比3.7%増と前月(同1.7%減)から3カ月ぶりにプラスに転じた。生産予測指数は2月が同5.2%減、3月は同3.1%増と、一進一退の動きとなる見通しだ。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「景気持ち直しの兆候は見えない」と指摘。
1-3月についても「ゼロ成長、場合によっては2四半期連続でマイナス成長となる可能性も否定できない」としている。


日本銀行の1月29日、日本初のマイナス金利導入を5対4で決定。声明文では「今後、必要な場合、さらに金利を引き下げる」と表明した。
一方、黒田東彦総裁は2月26日の衆院財務金融委員会で、「マイナス0.1%というマイナス金利の政策効果の浸透具合をしっかり見極めたいので、何かスケジュールを決めてどんどんマイナスを引き下げていく考えは全くない」と述べた。





ブルームバーグ抜粋
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