【日本株週間展望】1万7000円固め、景気懸念和らぐ

【日本株週間展望】1万7000円固め、景気懸念和らぐ-期末へ需給好転





3月2週(7-11日)の日本株は、日経平均株価が1万7000円台を固める展開となりそうだ。

米国の製造業関連統計が改善を示すなど、年始以来強まっていた世界経済のリセッション懸念が和らいでいる。チャート分析上も25日移動平均線を上回るなど明るさが見え、株式需給面では3月期末に向け配当権利取り、運用成績を引き上げる買い圧力が高まりやすい時期になる。

米国で直近発表された経済統計は、供給管理協会(ISM)による製造業景況指数が昨年9月以来の高水準になったほか、地区連銀報告(ベージュブック)が大部分地域での景気拡大の継続を指摘するなど堅調な内容が続いている。
これを受け、マクロ景気に対する過剰な悲観は後退しており、米投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)はことし最低水準にまで低下。

リスク資産を見直す動きは日本株にも好影響を及ぼし、日経平均は4日の取引で昨年11月以来となる4連騰を記録した。





第2週は米国で目立った経済統計はない半面、欧州では10日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催予定で、追加金融緩和策の有無が焦点だ。

ECBが緩和拡大に動けば、為替がユーロ主導で一時的に円高方向に振れる可能性はあるが、マネーの供給が金融市場の安定化につながる側面も持つ。

中国では8日に2月の貿易収支、10日に消費者物価が公表される。国内では8日に昨年10-12月期の国内総生産(GDP)改定値、2月の景気ウオッチャー調査の発表があり、11日は株価指数先物・オプション3月限の特別清算値(SQ)算出を迎える。




第1週の日経平均株価は週間で5.1%高の1万7014円78銭と3週続伸。

円の強含みや中国株への懸念で週初こそ下げたが、景気不安が薄れる中で2日には600円以上急騰。

4日の取引で約1カ月ぶりに1万7000円台を回復した。



*T ≪市場関係者の見方≫●アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャー  
下値を固められたかどうか意見は分かれるが、今までが少し悲観に走り過ぎていた面は多分にあり、それは米国でも日本でも同様だ。

業績の悪い部分について、マーケットはだいぶ消化した。ただし、悪くなるとの見立てもある中、どんどんと買い増す状況にもなりにくい。

今後は銀行株など売られ過ぎたところの反発が予想されるが、ディフェンシブのポジションを持とうとすると通信株が大きく下げたりするケースもあり、内需、外需どちらかに比重を大きく傾けることには悩む。





●岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジスト  
為替が1ドル=114円台に入ったり、日経平均が1万7000円を付けるなど外部環境が落ち着いてきた点は大きい。

3月期末の株価水準が意識されるタイミングになり、1万8000円を回復しないと、年金の決算は厳しいだろう。政策期待も下支えする。

チャート上は、ずっと下回っていた25日移動平均線を抜け、上値挑戦の局面に入った。

今は昨年8月高値時の信用期日の真っ只中だが、これを過ぎれば需給面でも3月期末に向けた株高期待が高まろう。





●JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジスト 
 
一気に上昇という感じではないが、大きく下がるとの恐怖感も薄れてきた。
中国も人民元の切り下げは当面しないと言明しており、大幅な切り下げの不安は当面ない。
低下していた米国の金利が戻り、ドル・円相場がやや円安にいくと思う投資家は多いだろうが、海外投資資金が自国に戻るレパトリエーションなど季節性の面と金融政策の動向から、円高警戒感は残っている。







ブルームバーグ抜粋
☆トレードは楽しい☆さんのブログ一覧