【個別銘柄】鹿島と大林組が大幅高、第三者割当増資でシャープ急落
2016/02/25 15:23 JST
25日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。
鹿島(1812):前日比5.4%高の667円、大林組(1802)も5.8%高の1051円。野村証券は24日、2社の業績予想を上方修正した。建築部門の粗利益率の見通しを引き上げたことによる。鹿島の2016年3月期営業利益予想を630億円から780億円(会社計画570億円)、大林組は850億円から930億円(同800億円)に増額。両社の投資判断は「買い」で据え置いた。
シャープ(6753):14%安の149円。25日の臨時取締役会で台湾の鴻海精密工業の支援受け入れを決定した。鴻海を割当先に普通株とC種種類株を発行、約4843億円調達する。普通株の発行価格は1株118円。C種種類株の発行価格は1株1万1800円。希薄化を懸念する売りに押された。
日本板硝子(5202):4.3%高の73円。SMBC日興証券は24日、投資判断を「2(中立)」から「1(アウトパフォーム)」に引き上げた。中期的に低迷していた欧州の建築用ガラスの事業環境が回復傾向となっている上、来期も燃料安メリットを享受できると予想、現状の株価は過小評価とした。新しい目標株価は105円。
太陽誘電(6976):3.6%高の1117円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は24日、投資判断を「中立」から「オーバーウエート」に引き上げた。LTE(高速通信規格)化の進展などを背景に、RF(高周波)系部品の需要増加が中期的業績を押し上げる可能性が高まっている、と分析。SAW(弾性表面波)フィルターなども顧客層が北米、中国に分散、短期業績の安定度も増してきたとみる。同証による16年3月期営業利益予想は240億円(会社計画230億円)、来期は255億円。
中部電力(9502):6.9%高の1518円。ゴールドマン・サックス証券は24日付で、投資判断を「売り」から「中立」に引き上げた。目標株価は1650円で据え置き。株価下落により目標株価に到達したため。業績面では、燃料価格前提の引き下げによるタイムラグ損益の変化を映し、17年3月期の経常利益予想を1362億円、再来期を881億円と従来から4%、2%それぞれ増額した。
オークマ(6103):4.6%安の807円。ゴールドマン・サックス証券は24日、目標株価を850円から740円に下げた。機械セクターのリポートで、過去3年続いた為替の円安基調反転、需要家の投資意欲減退を踏まえ、調査対象各社の営業利益予想を引き下げたことに伴う。
あすか製薬(4514):6.9%高の1236円。武田薬品工業(4502)と高血圧症治療剤「カデチア配合錠 LD・HD『あすか』」の事業化契約を締結した、と24日に発表。薬価基準収載後にあすか薬が発売、武田薬は物流業務を担当する。今後の収益貢献を見込む買いが入った。
太平洋セメント(5233):4.3%高の241円。大和証券は24日付で投資判断「2(アウトパフォーム)」を継続、目標株価を370円とした。国内外でのセメント事業の下振れを受け、同証による16年3月期営業利益予想を660億円から会社計画と同じ600億円(前期比8%減)に下方修正したが、17年3月期は今期推定比10%増の660億円と増益転換を見込む。国内需要の緩やかな増加、燃料価格低下のメリット、米国事業の利益回復を想定する。
ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324):3.1%高の2481円。ゴールドマン・サックス証券は24日付で同社株の調査を開始、投資判断を「買い」、目標株価を2800円とした。小型精密減速機について、スマートフォン向けに加え、協働ロボット向けが早晩次の大きな成長ドライバーとして本格的に立ち上がると予想した。
THK(6481):2.1%安の1885円。マッコーリー証券は24日、投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」、目標株価を2700円から1900円に下げた。
UMNファーマ(4585):18%安の1971円。エース経済研究所の池野智彦シニアアナリストは、前日の説明会での質疑応答で同社の主力インフルエンザワクチンの承認が長引いている背景を言えないと会社側が回答し、同薬の先行きに対する不透明感が増長されてしまったと電話取材で指摘した。
ファルコホールディングス(4671):5.6%高の1319円。16年3月期末の配当予想を18.5円から19.5円に引き上げる、と24日に発表した。
日本ライフライン(7575):3.8%高の1289円。16年3月期末の配当予想を17.5円から25円に引き上げる、と24日に発表した。
SBSホールディングス(2384):6.3%高の689円。15年12月期決算の発表日が2月29日に確定した、と24日に発表。海外子会社の決算作業の遅れを理由に当初15日としていた発表を延期していたため、財務状況に対する不透明感が後退した。
はてな(3930):東証マザーズ市場への上場2日目となった25日午前、公開価格800円に対し3.8倍となる3025円でようやく初値を形成した。同社はソーシャルブックマーク、ブログなどを運営、ことし最初の新規株式公開(IPO)案件。終値は2700円。
ブルームバーグ抜粋