「米住宅公社二社が破綻することはありえない」。台湾の金融庁に相当する金融監督管理委員会が15日に開いた緊急記者会見。李紀珠・副主任委員は保険会社や銀行が保有する両公社の債券は6180億台湾ドル(約2兆2000億円)と公表したうえで「損失は限定的」と市場参加者に冷静な対応を呼びかけた。
この日の台湾主要株価指数は急落し1年9カ月ぶりに7000の節目を割り込んでいた。同じ日、シンガポール大手銀オーバーシー・チャイニーズ銀行も両公社への投資は「微々たるもの」との声明を発表。韓国金融当局も保有額に関する調査結果を明らかにした。
米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)、米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が発行する債券についてアジアの当局や有力銀行が相次ぎ保有状況の開示に乗り出したのは、金融システム不安が飛び火することへの危機感からだ。「経営不安で債券が値下がりすれば金融機関に巨額損失が発生する」という市場の疑心暗鬼をぬぐい去るには実態を“自己申告”する必要があった。


