中国の不良債権は他国へほとんどリンクしていない。
リーマンショック時のように欧米の金融機関が米国の証券化商品に莫大な資産を抱えていた状況とは違う。
だから、ショックが起きても世界の金融システムに一斉にそれが伝播し、金融取引のフリーズ、リスク資産の急激な大暴落を起こす可能性は高くない。
しかも、中国はショックが急激に顕在化するのは防げる政治体制にある(ここ数年の状況はまさにそういうバブル崩壊の過程でもある)
この崩壊はゆっくりおき、ゆっくりゆえに損失額は膨らみ、そうして中国の消費も漸次しかし大幅に低迷していくことなる。
これは我々がここ数年、目にしている状況である。
しかし、中国の「消費者」から先進国企業が得ている「利益」はそれほど大きくない。
中国バブル崩壊のデフレ圧力に抗して、先進国や新興国が巨大緩和を行えば、中国消費の減退は、先進国や他の新興国の消費でカバーされることになる。
これも我々がここ数年、目にしている状況である。
これは、すなわち、中国の多年に亘る通貨安政策で起きた他国の経済空洞化(他国から中国への富、購買力のシフト)の巻き戻し現象である。
結局、中国のバブル崩壊が先進国経済に及ぼす悪影響のメインは人民元安経由の強烈なデフレ圧力ということになるだろう。
それもここ数年、我々が目にしてる状況だが、これは昨年の中国の利下げ、人民元切り下げに見られるようにまだまだ続く現象だろう。
人民元安によるデフレ圧力の被害、安値輸出の被害、経済空洞化の被害は、未だ通貨高政策(景気中立の2%未満の低インフレ政策)を取り続けている日本のような国が多くこうむることになるだろう。
しかも、日本は中国に隣接している。 この点からも悪影響が甚大になる。
日本は中国の更なるバブル崩壊に備え、高めのインフレ(コアコアインフレ率で2~3%)になるように金融政策を調整すべきだ。
しかし、現状、そうなる可能性は低く、中国悪影響でデフレ化してもマスコミはそれを言わず、むしろ、「異次元緩和の失敗」、「人口減で低成長」とわめきまくる可能性が高い、、、これもここ数年、我々が目にしてる現象である。
このような論説は金融緩和抑制、景気低迷、税収低迷で増税推進をしやすくするためであり、財務官僚の省益追求への迎合でもある、、、中国と日本マスコミ、日本官僚の(日本の国民益相反の)不可解な連携。