米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の経営不安を受け、米政府は公的資金の注入も選択肢とする救済策を打ち出した。だが、両社は経営規模が巨大なうえに業績・財務には下振れリスクがぬぐえず、米政府と議会がまとめる救済策も抜本解決につなげられるかどうかは不透明だ。両社は海外から多額の資金を調達しており、日本も含めた世界の金融市場に混乱が飛び火する恐れもある。
「金融システムの機能不全か、政府による保証のどちらかだ」。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は4月の上院公聴会で、住宅公社の破綻懸念を巡る質問にこう答えた。政府・金融当局は早くから公社の経営問題の重大さを認識していたが、住宅市場の冷え込みが続く中、住宅ローン買い取りの拡大など公社に下支え役を委ねるほかなく、傷口を広げてしまった。


