というわけで、木曜の朝にブログで特別損失が出るから2年位は低迷と記事を書いたら早速、金曜引けに特別損失報道がなされたようだ。
詳しい営業利益や純利益の損失の数字は近いうちに東芝から示されるはずなので、そちらを見て貰ったほうが良いのかもしれない。
純損失で5000億円以上の損失というと今の純資産の半分ほどだ。多少多いと感じる。リーマンショックの膿を出した日立やパナソニックはそれ以上の損失を計上していたので、それらと比べるとまあそこまで驚くほどでも無いが。
東芝はリーマンショック後もすぐには白物家電やTV事業の売却には至らなかった。多少は構造改革をしたが私は不十分だった。
その分、今になって子会社株式売却も含めて事業売却と大幅なリストラになった。今年の5000億円以上の損失はそういう数字。
東芝は2009年に増資をしているが、その後あたりからチャレンジがスタートしている。本来の膿出しが出来ない分の無理が出たのが最近の不正会計と業績悪化。
木曜のブログに、東芝の株式を半分売却したと書いた。そして週末のこの材料がさっそく出たので、今後の経常利益と純利益がどの程度まで回復する可能性があるのかを自分なりに計算してみた。
その結果、EPS30~40円ほどは2、3年で回復可能かもしれないという計算になった。勿論これは原発関連の減損が無いという前提。
しかし、それは今回の赤字による税負担の軽減を考慮したら可能性としての計算。JALやかつての邦銀がそうであったように、見かけの純利益(EPS)は法人税が繰り越し損失となっている分が引かれて、見かけはPERでは割安な銘柄と映る。
法人税をちゃんと払った後の本来の実力はEPS25円ほどの実力なのかもしれない。しかもこれは数年先の業績が回復した場合、かつ発行済株式が今と変わらないという前提。
今回の大幅な赤字を一気に計上したことで今後の増資の可能性があるのでは?とまず思った。
私は金曜に半分残した理由は、資金の回収にかかる時間軸を変更したからだ。しかし、その前提として今期と来期にかけてゆっくりと大幅な赤字を出さない程度に構造改革してゆき、18年からは業績回復と株価回復というを目論んでいた。
それが今期で一気にという話であるならば、ひとまず今期の自己資本比率は10%を切ってしまうかもしれない。事業の売却があるので10%を切らないかもしれないが。
まあでも、そうなると機械的に格付けの格下げもあるだろうし、事業を行う上で様々なコストがかかる。
ここまでスピーディーに改革を進めるようであれば、当然資本増強もスピーディーに決定される可能性はあるのでは・・・と私は思うのだ。
日立や三菱電機、またはインフラで比べるなら重工関連のセクターで比べても東芝の資本の質の悪さは際立つ。
仮に業績が回復して本来の実力がEPS20~25円程度であるならば、日立と同じPERになるならば東芝の株価250円程度。しかも増資の不安付きだ。
ここまで色々と私の予想(妄想)を書いてきたが、つまり、現状では東芝の今の株価に魅力が乏しいという事が言いたかった。決して割高ではないと思う。長期では業績回復が成されれば今の株価は安いのかもしれない。
しかし、売られ過ぎの水準か?または割安か?と考えると、いや・・・そうでもないという結論になる。他のセクターと比べると260円付近であれば相応の評価と感じる。
木曜の朝の時点では、長期の視点では300円付近であれば底値が近いとは思っていた。しかし今回の記事を見る限り一番おいしい勝利を掴むためには、今の状態でポジションを構えるのでは無く、増資を発表された時の最後の下落で買うという事が一番の勝利だろうと思う。
もしくは、原発関連の減損が仮に今後出てくるならばその時が、買い時なのかもしれない。
もちろん、そのような悪材料が無い可能性もある。その時は、株価は素直に戻していくのかもしれない。
東芝は現在の買いのポジションの優先度でいうと一番ギリギリのところに位置していた。後追いの追加悪材料で徐々に順位を下げていったのだが、今回のニュースでついに他に優先すべき株が出てきてしまった。
よって、今日の月曜の寄り付きで残りのすべて売却した。そして、この余力を他に回したいと思う。
全体のポジションの話をしておかないと誤解を受けてしまうので書いておくが、今回の東芝の売買で大きく資金を減らしたわけではない。私のポジションは25~30銘柄ほどをバランスよく買いも売りもやっている。その中での東芝のポジションを決済したという話だ。
今のところ最近の東芝の損失と、シャープの両建に伴う損失コストと、アメリカ利上げからの短期ロングポジションが響いて12月の成績は今のところあまり良くない。資金量でいうと今の資産は8月~9月の頃の資産量にまで戻ってしまっている。今年の最高地点が先月の11月なので、少し減らしてしまった状態だ。
アメリカの利上げの翌日時点では、今の日経18660円というのは想像出来なかった。アメリカの原油輸出決定や、イランの輸出規制緩和や、OPECでの減産が示されない等で原油相場はまだ底打ちとはならない雰囲気だ。
短期売買分はこれにより損失を出している。先物とFXの分がそうだ。
ただ、これは私が思うに短期のヘッジファンドによるポジション整理の結果の動きに思える。勿論それを読み切れなかったのは敗因だが。
相場が落ち着けば、原油とは連動しない株価の独歩高もあり得ると私は思っていて、損失は出ているが、ポジションを維持して注意深く見守る事にしている。
今年の相場が終わったら近いうちに2015年の成績(金額は書く予定は無く割合や推移等)をまとめて記事にするかもしれない。
また、今当選しているIPOが上場して売却が完了すればIPO専用の記事も書けると思う。
今までは資産の金額だけじゃなくて推移についてもぼかして書いてきたが、資産推移に関しては今年だけは発表してみようと思う。