kabukabumanさんのブログ
米国利上げ決定後の株式投資は慎重に
12/4に発表される米雇用統計が良好な結果であれば、12月利上げが濃厚になりそうですが
米国の量的緩和終了と、間近に迫った利上げを
市場がどの程度織り込んでいるかによって、利上げ後の株価動向は大きく変わると思います。
例えば、株価は利上げを好感して上昇基調が続くという見方もあれば
米国の景気は新興国経済の減速に足を引っ張られ、ピークアウトするという見方まで様々です。
しかし判断が分かれる時は、最善のシナリオより、最悪のシナリオを想定して置く方が
怪我が少ないとことは確かでしょう。
そこで、過去に利上げが実施された直後の、ダウの推移を振り返ってみます。
①1994年2/4・・・ 利上げ後株価は下落し、半年後元の水準へ戻りレンジ相場へ
https://finance.yahoo.com/q/hp?s=%5EDJI&a=01&b=04&c=1994&d=11&e=29&f=1994&g=w
②1999年6/30・・・利上げ後4ヶ月目におよそ10%下落(最大)
その後も低調に推移し、翌年さらに安値を更新
https://finance.yahoo.com/q/hp?s=%5EDJI&a=05&b=30&c=1999&d=05&e=29&f=2000&g=w
③2004年6/30・・・利上げ実施から約4ヶ月低調に推移(max5.1%下落)
5ヶ月後、漸く利上げ時の株価水準に戻る
https://finance.yahoo.com/q/hp?s=%5EDJI&a=05&b=30&c=2004&d=10&e=29&f=2004&g=w
次に直近の米利上げ(2004年)時に、円相場がどの様に変動したかを振り返ってみます。
利上げが実施された2004年6/30の円相場が1ドル108.43円であったのに対し
利上げ前後の月次推移は以下の様になっています。(月次平均値・単位:円)
<2004年>
1月➡106.47、2月➡106.67、3月➡108.76、4月➡107.41、5月➡112.01
6月(利上げ実施)➡109.45、7月➡109.48、8月➡110.52
9月➡110.02、10月➡109.10、11月➡104.93、12月➡103.97
一方利上げ前年(2003年)の円相場(月次平均値・単位:円)は以下の通りです。
1月➡108.90、2月➡119.46、3月➡118.78、4月➡119.82
5月➡117.43、6月➡118.34、7月➡118.71、8月➡118.80
9月➡115.25、10月➡109.58、11月➡109.20、12月➡107.89
こうしてみると、2004年の米利上げは前年度(2003年)に織り込まれていた可能性があり
今回の場合も、1ドル125円台が直近円の最安値だとも考えられます。
また、来年度の利上げ水準は0.5%~0.75%ではないかと予想されているうえに
ECBが緩和政策を続け、ユーロ圏の国債が低金利であるうちは
米国債の金利も大きく上昇しないことが想定されるため
少なくとも「米利上げ=円安」という先入観に囚われない方が賢明だと思います。
但し、以前に比べれば、企業の為替対策(ヘッジ)は浸透している筈ですから
万一利上げ後ドル高が進んでも、米輸出企業の業績に与える影響は軽微だと思います。
さらにダウの推移も、利上げの程度やスピード
或は、利上げ時の世界経済の状況等によって異なるので
今回も過去の推移と同様の経過を辿るとは限りません。
しかし現状は、中国を初めとした新興国経済に不安が残ると同時に
日本や欧州の景気も回復途上にあることを考えれば
米国のさらなる景気上昇が、世界的な景気回復や株価上昇の命綱になると思います。
この様な状況を踏まえ
米利上げ決定後は、過去の経緯を頭の片隅に置いて売買に臨む方が安全だと考えます。
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米国利上げで米国景気が悪化しなければ問題ないでしょうね
米国利上げや日本の緩和での日米実質金利差拡大は円安要因。
ドル円120は昨年の追加緩和を織り込んだ水準で、米国の利上げは織り込んでない。
なので、米国利上げがあれば、それより円安になるのが自然。
米国の利上げは今の生産移管が進んだ新興国にとっては景気上昇要因。
だから、米国景気自体が落ち込まなければ問題無し。
そうなると景気上昇持続で資源価格も下がりにくく、資源系の新興国にも問題無し。
カギは米国景気にありです
米国利上げは過去の先例と教訓それにネガティブなシミュレーションをも包含し尽くした感があると思うのはオイラだけではないと思います。
断定的に言えば、利上げが世界株高の号砲になるのではと思って、反動安を手ぐすね引いて待つ戦術です。
株は祈っては儲からないと言われてますが、神頼みしつつトライしてみます
(笑)。
jojuさん おはようございます。
>米国景気自体が落ち込まなければ問題無し。
>過去の利上げ後の景気状況データは、金利の水準や米国以外の国の金融政策
の状況が現在と違うのでそのままでは参考になりません
仰る通りだと思います。
米国の景気拡大が世界経済に足を引っ張られず
逆に牽引してくれることを願うのみです。
What a beautiful worldさん おはようございます。
私も最良のシナリオになればいいと願っていますが
こればかりは性分なので
常に最悪のシナリオを基準に投資戦略を考えてしまいます。
なので、1月中旬までは基本様子見に徹しようかと。
つまり保有株のヘッジとキャッシュポジションを高くという2点を順守するという意味です。
>神頼みしつつトライしてみます
遅ればせながら貴殿の後を追いたいと思います
幸運をお祈りします!
モ~さん こんにちは。
日本は可笑しな国で、株式市場を見ても
遠く離れた地域の地政学的リスクには敏感に反応しますが
身近な極東地域の地政学的リスクは、あまり気にならない様です。
まさに平和ボケ症候群だと言えそうです。
むしろ海外勢の方が極東問題を重視しており
日中韓の動向を注意深く見守っていると思います。
ですから三国間の外交交渉に進展が見られない限り
再び投資マネーが東京市場に流れ込む可能性は低い様な気がします。
本当に利上げより恐い材料は沢山ありそうですね。