11月も半ばを過ぎて、上期決算も終了しました。上半期は好調で、15%程度の増益となっていますが、下期業績を下方修正するところが目立ちます。上期が増益なら、下期の増額修正が相次ぐところですが、なぜでしょうか。
「中国をはじめとする海外経済に不透明感があるためだよ」
なるほど、新聞や、学者の意見を鵜呑みにすれば、そういうところでしょう。
私は、コンプライアンス病にかかった経営者が多かったのが原因とみています。
東芝の粉飾決算が引き金でした。原因究明にあたり、第三者委員会が出した結論が、「歴代の経営者が、過大な利益目標を部下に押し付け、その結果として今回の事件が起きた」としたのです。
さすがに、経団連の一部からは、「経営者が目標を掲げ、部下にはっぱをかけなければ、会社は成り立たない」として、異論も出たようですが、世論がこれに迎合して、コンプライアンス重視の流れが形成されてしまったのです。
高い目標を掲げ、部下に押し付けるより。目標を下げておくほうが無難とする経営者が増えたということです。
「だから、どうだっていうんだよ!」
「来年発表される今期決算に影響が出るね」
「どんなふうに?」
「……」