はるるっぴさんのブログ

最新一覧へ

« 前へ107件目 / 全656件次へ »
ブログ

安易な楽観論に注意する

先日、経済産業省キャリア組の幹部クラスの女性職員とお話しをする機会がありました。


通商部門に所属していて、TPPを担当されているとのことだったので、TPPについて少しだけ

教えてもらいました。学者の説明と違ってとてもわかりやすい説明でしたが、関税に
関する細かい話になると、途中から話についていけない・・・(^^ゞ


実務知識が豊富なので


「何でも聞いてください!」(^.^)


と言ってくれましたが、勉強不足で、何を聞いてよいかわからなかった。(-_-;)


素人のひとりごと日記です。
(すべて正しくは信頼できる専門家へ)


○空売り王


11月3日(火)の日経新聞に英領ケイマン籍のファンド「OXAM QUANT FUND」についての

記事が記載されていました。

(「OXAM QUANT FUND」の)実態はどうか。OXAMを運用する英オックスフォード・アセット・マネジメントを知る関係者は「数学者やエンジニアの集まり」と解説する。


英オックスフォード大出身者を中心に70人超を抱え、うち7人は国際数学オリンピックのメダリストという。(中略)


コンピューターを駆使して解析し、銘柄を選ぶ。「人間には感情が入るが、コンピューターは規律をもたらす」という哲学を持つ。


(日経新聞より引用)


このようなファンドが東京市場に資金を振り向けて相場を攪乱しています。


ここで、ヘッジファンドのプログラム売買について、基本的なことを復習します。


システム型の4種類の基本プログラム


トレンドフォロープログラム
上昇トレンドや下落トレンドに
追随して売買を積み上げる


ブレイクアウトプログラム
抵抗ラインを上回れば買い
支持ラインを下回れば売る


カウンタートレンドプログラム
上昇トレンド・下落トレンドの
反落・反騰を利用する売買


ボリューム&モメンタムプログラム
ボリューム・モメンタムの
変化を利用する短期売買


ヘッジファンドのロボットプログラムは実際のマーケットに大きな影響を与えています。

OXAMの数学者などのヘッジファンドがマーケットについて本当の話をするとエコノミストや

ストラテジストは職を失うでしょう。


○ECBの追加金融緩和


10月22日のECBドラギ総裁が追加緩和の可能性を示唆したことから、12月3日のECBが

追加緩和する可能性が強まっています。追加金融緩和への期待だけでも、株価を下支えする

でしょう。しかし、金融緩和には時間稼ぎの効果しかないうえに、度重なる金融緩和で
今までよりも、時間稼ぎの時間は短くなるでしょう。


○海外の中長期資金の動向


株価が調整局面に入った8月第2週から見てみます。


※単位:百万円


8月第2週    -317,912
8月第3週  -400,470
8月第4週  -707,046
9月第1週  -481,735
9月第2週 -1,034,832
9月第3週  -785,787
9月第4週   -75,987
9月第5週  -198,895
10月第1週  +201,298
10月第2週   -26,745
10月第3週  +188,206
最新週    +91,245


日本株が調整局面に入った、8月第2週から9月第5週まで8週連続海外投資家は
日本株を売り越しています。このことから、長期の海外投資家が日本株を売っているのは
ほぼ間違いないと思います。


9月25日からトレンドが変わったので、10月になってから短期筋の買いが入っています。

しかし、短期筋は文字通り短期で、逃げ足も速い。11月も金融緩和期待などで株価の上昇する

局面はあると思いますが、中長期の海外投資家の日本株売り越し基調は続いているので、

上値が重たくなる可能性があります。この点は、日経新聞にも書かれていました。


10月は、ヘッジファンドの短期筋の買いにより海外投資家は日本株を買い越しましたが、

海外投資家が売り越し変わった時は、警戒してもよいでしょう。


○年金基金の買い


大きな買い主体が年金基金です。しかし、GPIFや共済年金の買い余力は少ないと思います。


日銀のETFの買いも追加の金融緩和があるまでは、あまり期待できません。年金基金の
買いが反映する「信託銀行の買い」が少なくなるか、または、売り越しに変わったときも
注意が必要です。海外投資家の売りに買い向かうところがなくなれば、株価は下がります。


○不透明感


米国の利上げ、日銀の追加金融緩和など不透明感が強いので、株価予想は難しくなります。


投資家(除く空売り筋)は、悪材料はもちろんですが、不透明感が強いのも嫌います。
不透明感が強い時は、リスク資産の割合を増やすことに、慎重に対応してもよいでしょう。


○信用評価損益率と株の裁定買い残


「信用評価損益率が改善、マイナス 9.82% 2ヶ月ぶり水準」


「個人投資家の抱える含み損が減少している。信用取引で買って株式の含み損の度合いを示す

信用評価損益率は、10月30日申し込み時点でマイナス9.82%と8月14日以来、ほぼ2ヶ月ぶり

の水準に改善した。」


「改善した」と書いてあるので、良いニュースのようにも読めますが、そうではありません。
足元株価は上昇しているので、信用評価損益率さらに改善していると思います。個人投資家は、

ヘッジファンドのカモになりやすいので、信用評価損益率が改善すると注意が必要です。


(参考:日経平均株価は、8月11日高値20946円をつけた後、急落しました。)


「株の裁定買い残、5週連続で増加」


「東京取引所が5日発表した10月30日時点の裁定取引に伴う現物株の買い残高(期近・期先合計)

は5週連続で増加した。残高は前の週に比べ1209億円増の2兆5391億と8月21日(2兆5910億)

以来の高水準となった。」


株の裁定買い残の増加は、ヘッジファンドの短期筋の動向とも関係してくるので、買い残の

増加にも注意が必要です。


(11月6日の日経新聞記事参照)


○金曜日の連勝


11月6日(金)日経平均株価は149円プラスの終値19,256円でした。
これで金曜日は7週連続上昇しました。足元の株価の強さを象徴しています。
この金曜日の連勝記録がストップするときも注意してよいかもしれません。


○騰落レシオ


昔、中堅証券会社の支店長から教えてもらった言葉が印象に残っています


「テクニカルは当たらないねぇ~」
「僕の経験則上、テクニカルで当たるのは騰落レシオくらいだよ~」


その騰落レシオが135.7%で過熱ゾーンです。
あす月曜日の株価も上昇するとさらに過熱します。


「騰落レシオ140%は買い」と説明する専門家もいます。


確かに騰落レシオが過熱ゾーンに入ると個人の空売りも入るので、ショートカバーで
株価はさらに上昇することもあります。実際、騰落レシオが140%を超えた後も株価上昇
するケースは今年もありました。しかし、その後、結局下がっています。安全志向の投資家は

無理しない方がよいと思います。「われこそはプロ!」と自身のある人はどうぞ。


○三役好転


11月5日(木)
一目均衡表での総合的な買いのシグナルとなる「三役好転」となりました。
三役好転から日経平均株価19,500円にリーチがかかることは予測可能でした。
CME日経から見て月曜日も上昇スタートが予測されます。


復習:三役好転について


一目均衡表での総合的な「買いのシグナル」となる状況を「三役好転」
一方「売りシグナル」となる状況を「三役逆転」呼びます。


三役好転とは、転換線が基準線を上抜き、遅行スパンが日々線を上抜くこと、
実線が雲の上へと出ることを言います。


・転換線>基準線
・遅行線>終値
・終値>雲


この3つの条件が揃うと、三役好転といい強い買いシグナルとなります。
一方すべて条件が逆となることを三役逆転といい、強い売りシグナルと捉えられます。


(ネットの解説より引用)


一目均衡表の信奉者は、押し目買いを狙っているかもしれません。


一目均衡表の三役好転から、すでに株価は上昇しています。日経平均株価はまだ少しの
期間、強い可能性もあります。ただ、一目均衡表でも相場の転換点を予測できないので
参考までにしておく必要があります。


○米利上げ


豊島逸夫の手帖でもくわしく解説されていますが、12月にFOMCは利上げする確率が
高くなってきています。(もちろんどうなるかわかりません。)
大物ヘッジファンドが仕掛けるとき、米利上げへの警戒心は格好の材料になるので、十分な

注意が必要です。ヘッジファンドの短期筋が売りに回れば、上値は重たくなります。


【重要日程】


12月3日     欧州中銀(ECB)の金融政策会合
12月15日~16日 FOMC(イエレン議長の記者会見つき)
12月17日~18日 日銀金融政策決定会合


○反面教師


私の知るご年配の投資家で、今まで株でたくさん損している人がいます。


その方の投資哲学は


「株は10万円上がったら売る」
「損して売らない」


その結果、今までたくさん損されています。


先週末、その方が郵政株で儲けた勢いで
株を新たに4~5銘柄ほど買ったと聞きました。


嫌な予感がします。


○安易な楽観論


アメリカは利上げできる程、景気が良い
日銀、ECBの金融緩和期待が相場を下支えする
企業決算が評価されて、日本株の出遅れ修正がすすんでいる
中国の景気減速は落ち着いている
郵政株の上昇から投資家心理が好転している
相場に勢いがある


など、市場専門家も強気になってきています。


しかし、専門家が強気になった本当の理由は


「株価が上がったから」


それだけだったりします。


ほとんどの市場専門家が強気になったとき、株価は天井を付けるでしょう。


・・・


株価はさらに上昇する可能性はありますが、そろそろ警戒したいと思います。


みんかぶ買い予想3銘柄→買い予想なし(すでに変更済)


やや強気から中立に変更します。



コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。