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【1】NY市況
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□ダウ工業株
16912.29(+122.10)△0.73%
□ナスダック
4791.15(+ 42.79)△0.90%
□S&P500
1995.83(+ 15.91)△0.80%
□ダウ輸送株
8080.35(+108.49)△1.36%
□半導体株(SOX)
631.32(+ 9.37)△1.51%
□NY原油先物(11月限)
47.81(- 0.72)
□NY 金先物(12月限)
1148.70(+ 2.30)
□バルチック海運指数
841 (-28)
□為替
(対ドル)119.98(前日比0.03円高)
(対ユーロ)134.81(前日比変わらず)
□CME日経225先物
18345(- 35)※大阪先物比
7日のNY株式市場は、引けにかけて買いが戻り、ダウは4日続伸。およそ1カ月半ぶりの高値で取引を終了しました。
材料が少なかったこの日は原油相場の動きに左右される展開となりました。原油先物相場(WTI)は需給改善を期待した買いで前日まで3日連続高となっており、この日も原油が上昇して始まったことからエネルギー株が買われ、早い時間帯でダウは一時173ドル高まで上げ幅を拡大しました。
しかしその後、在庫の増加を受けて原油相場が下落に転じると株も失速し、ダウを含め主要指数も一時マイナスに転じました。売り一巡後は決算発表の本格化を前に最近売り込まれていた銘柄を中心に見直し買いが入り指数は持ち直し。米国では年内の利上げ観測が後退した一方で、欧州や中国の金融政策が追加緩和の方向に向いていることも相場を支援しており、引けにかけては再び上げ幅を拡大しています。
ダウは4日連続高。ナスダックとともに8月20日以来およそ1カ月半ぶりの高値で取引を終了しました。
S&P業種別指数では、へルスケア(医薬品等)、素材(資源等)、エネルギー、資本財(産業機械等)などが上昇した一方、通信と公益(電力等)が軟調でした。
個別銘柄では、セルジーンやアムジェンなど直近の相場で下落傾向が続いていたバイオ医薬品株が上昇。前日下げたメルクやファイザーなども反発。アルワリード王子(サウジの王族で世界的な投資家)の投資会社が保有比率を引き上げたことを材料に短文投稿サイトのツイッターが大幅高。物言う株主(アクティビスト)として知られる大株主のアイカーン氏と役員の受け入れで合意したと伝わった資源大手のフリーポート・マクモランも大きく上昇しました。
シェブロンやエクソンモービルは原油相場とともに一時下落に転じる場面がありましたが再度上昇に転じました。自動車のフォードやGM、航空キャリアのアメリカン航空やデルタ航空も上昇。種子・農薬大手のモンサントは赤字決算が嫌気され下げて始まりましたが、リストラ策による業績改善期待で上昇に転じています。一方、冴えない決算を発表した外食チェーンのヤム・ブランズは大幅安となり、同業のマクドナルドも軟調でした。
ダウ構成銘柄では、メルク、インテル、ボーイング、ゼネラル・エレクトリック、エクソンモービル、ジョンソン&ジョンソン、ビザなどが上昇し、ナイキ、キャタピラー、アップル、ディズニー、マクドナルドが下落しました。
NY原油先物(WTI)は反落。需給改善期待を背景に早朝の取引で一時49.71ドルまで上昇し2カ月半ぶりの高値を付ける場面がありましたが、この日発表された週間の在庫統計で原油やガソリンの在庫が予想以上に増加していたことを受けて一転して売りが優勢になりました。
NY金先物は小幅に4日続伸。引き続き、利上げ開始時期の後ズレ観測が金相場を支援しています。
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【2】本日の注目点と話題
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◆昨日の日経平均株価は6日連続上昇。前日比136円高の1万8322円で取引を終了しました。6日間の上げ幅は1392円となっています。
NYダウは4日連続の上昇で、およそ1カ月半ぶりの高値となっています。
CME日経225先物は1万8345円で、昨日の東京市場の日経平均終値1万8322円と比べ20円ほど高い水準です。
◎日経平均株価と上下の節目
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1万8500円 心理的節目
1万8345円 CME日経先物
☆1万8322円 昨日終値
1万8168円 一目(雲)上限
1万8047円 一目基準線
1万8000円 心理的節目
1万7992円 5日線
1万7991円 25日線
昨日の日銀金融政策決定会合では追加緩和が見送られましたが、今月30日の会合での追加緩和を予想する声もあります。
日経平均株価の日足チャートでは、陽線が前日の陰線をすっぽり包み込む、いわゆる「つつみ線」が出現しています。前日の下落を打ち消しており、買いの勢いが増していることを示唆しています。
また、一昨日は日経平均株価が約1カ月半ぶりに25日線の水準を回復したのに続き、昨日は下方にあった5日線が25日線を上抜くミニ・ゴールデンクロスが出現するなど、状況の改善が進んでいますが、週末が近いことや前日までの6日連騰で1392円上昇しているため過熱感も意識されやすい局面ではあります。
尚、国慶節(建国記念日)の大型連休が明け、本日から上海株式市場での取引が再開します。
◆郵政3社(日本郵政、かんぽ生命保険、ゆうちょ銀行)の売り出し価格の仮条件が下記のように決定しました。※印は仮条件の上限で決まった場合のPBR(株価資産倍率)。
日本郵政 (6178)
1100~1400円 ※0.41倍
かんぽ生命 (7181)
1900~2200円 ※0.47倍
ゆうちょ銀行(7182)
1250~1450円 ※0.67倍
仮条件をもとに需要を申告するブックビルディング期間は、日本郵政が明日から23日の11:00まで、かんぽ生命とゆうちょ銀行が明日から16日の11:00までで、11月4日に3社同時上場となります。
◎本日の経済指標
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08:50 8月の国際収支
〃 9月上中旬の貿易統計
〃 9月と週間の対内証券売買契約
〃 8月の機械受注統計
11:00 9月末の東京都心オフィス空室率
〃 8月の産業機械受注額
13:00 9月の企業倒産
14:00 10月の金融経済月報
〃 9月の景気ウォッチャー調査
15:00 週間の投資部門別売買状況
《国際収支》8月の経常収支は、予想中央値が1兆2340億円で、前月の1兆8086億円の黒字からは縮小しますが、14カ月連続の黒字が見込まれています。
また、サービス収支のうち、訪日外国人が国内で使う金額から、日本人が海外で支払う金額を差し引いた「旅行収支」にも注目が集まります。前回7月の旅行収支は1295億円の黒字で、7月としては過去最大、単月としては過去2番目の黒字額でした。
《機械受注》民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」の7月の受注額は前月比3.6%減でしたが、8月は2.7%程度の増加が予想されており、3カ月ぶりに増加に転じる見通しです。
《東京都心オフィス空室率》前回8月末の空室率は4.72%で、4カ月連続の低下。月額賃料は20カ月連続の上昇で、オフィス需要の堅調さを示しています。
《景気ウオッチャー調査》前回8月調査では、街角の景気実感を示す現状判断指数が49.3と、好不況の判断の分かれ目の50を7カ月ぶりに下回り、2~3カ月先の見通しを聞いた先行き判断指数も50以下に悪化しました。市場予想では9月の現状指数は小幅低下、先行きはほぼ横ばい予想となっており、いずれも予想値は50以下の水準です。
尚、例年受賞候補に村上春樹氏の名前が挙がるノーベル文学賞は本日午後8時頃に発表されます。
海外では、ドイツの8月の貿易収支と経常収支、米新規失業保険申請件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月16~17日開催分)などの発表が予定されています。
また、複数の米地区連銀総裁が講演を行う予定で、発言の内容にも注目が集まります。
ペルーの首都リマで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議では、中国経済の動向を踏まえ世界経済のリスク要因の点検の他、独フォルクスワーゲンの問題なども議題になりそうです。
◎主な決算発表
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15:00
セブン&アイ(3382)、松屋(8237)
15:01
ファーストリテイリング(9983)
NY市場では、取引終了後に非鉄のアルコアが決算を発表します。
◆その他のトピックは、ファミマとユニーが来年9月統合で大筋合意・店舗数でセブンに並ぶ、TPP対策で補正予算を検討、ノルウェー政府年金基金が日本で不動産投資、ビール世界首位のインベブが2位SABに12兆円で買収提案・SABは拒否、仏トタルが投資抑制・原油安対応で、中国の外貨準備高が5カ月連続減・為替介入で取り崩し、韓国サムスンの7~9月期は2年ぶり増益、ルノーが日産に議決権付与を検討、建設用鋼材が一段と下落・H型鋼は2年ぶり安値、タンカー運賃は一段高。
セブン&アイ・西武春日部店を閉鎖、東電とソフトバンクがセット販売で合意、すき家・牛丼値引きを2週間延長、富士重が東京モーターショーで自動運転SUV披露へ、ジーユーが中国でネット通販参入、パナと大和ハウスが洗濯衣類を全自動で畳む家電を共同開発へ、ソフトバンクと日立の農業支援サービスは14日発売、イーレックスが福岡でバイオマス発電所、大塚製薬がスペインの食品会社買収、シミックが注射剤生産能力を大幅拡充。
日本製紙と特殊東海が段ボール原紙の販売事業統合で合意、よみうりランドの新施設・日清食品や日産などが協力、イオンの3~8月期経常益5割増・食品スーパー好調、ファミマとローソンの3~8月期経常益は過去最高、ABCマートの3~8月期純利益過去最高・20円増配へ、セイコーHDの4~9月期営業益33%増、北越紀州紙の4~9月期営業益が2倍に、ライフコーポの3~8月期55%増益、ダイキンの中国事業が復調、三井金の4~9月期経常益は46%減、吉野家HDの3~8月期純利益32%減、コカイーストは今期純利益予想を下方修正など。
◎明日の主な予定 ※予定は変更になる場合があります。
9日(金)
IMFと世界銀行の年次会合
9月の米輸出入物価指数
8月の米卸売売上高
◆今日の高島暦
< 相場の波動 > 人気に逆行して動く日
<相場高低判断> 波乱あるも下押し強し