仕手(して)、あるいは仕手筋(してすじ)とは、人為的に作った相場で短期間に大きな利益を得ることを目的に、公開市場(株式、商品先物、外国為替等)で大量に投機的売買を行う者のことをいう。
仕手筋の手口
選別
仕手筋は、常にターゲットとなる銘柄を吟味している。あまり経営が思わしくなく、長期的に株価が低迷している銘柄に狙いをつける。安価な株価の低位株は小額資金で買い集めることができ、またPBR指標が低迷しているなど株価急騰にもっともらしい理由が後付けできる余地があることが大きな理由である。また後述の理由により信用取引銘柄であることが望ましい。
仕込み
仕手のターゲットが決定したら、一気に買い集めるのではなく、静かに少しずつ市場の噂になりにくい様な単位で、ある程度の期間をかけて買い集める。そのために、「風説の流布」や「見せ板」などの違反行為を駆使しつつ、株価を低く維持する。
投資顧問の利用
多くの仕手筋が、手掛ける株の情報を投資顧問会社(この場合、投資顧問と言うより情報屋の要素が多い)に流し、投資顧問会社が個人に情報を流す。その際、「訳あっていくらまでもっていく」「大材料が出る」「大物資金が入っている」等と、個人を信用させる。極秘情報と言われるのであるが、個人に届いた時点で誰もが知っている情報となっている。最終的には、仕手筋や投資顧問の上得意客の株を、一般の個人に高値で買ってもらわなくてはならないので、その為に投資顧問が利用される。
つり上げ
ある程度の株が集まった段階で、今度は株価のつり上げにかかる。それは今までの静かな買いではなく、一気に今までの何十倍もの買いを入れる。そこで株価の上値が軽ければ、一気に株は急騰し値上がり、値上がり率ランキングの上位に顔を出すことになる。また、仲間同士で株式の売買(循環取引)を繰り返すことで出来高の急増を演出したり、価格維持のための見せ板や、仲間内での通牒仮装売買で株価を吊り上げるなどの違法行為をおこなう場合もある。
提灯
マスコミやネット掲示板などに情報を流すことで、「提灯」と呼ばれる相乗りの買いを誘う。上値が軽く、出来高が急増して値上がりだすと、買いが買いを呼んで、さらに株価が騰がる。振るい落としあまりに一本調子に株価が騰がると、他の参加者に警戒感があらわれ売り方が極端に少なくなったり、他の買い方(提灯筋)が様子見にまわるため仕手筋は持ち株を売り逃げるチャンスがなくなってしまう。また信用取引銘柄の場合、うまく空売りを呼び込むことで以降の踏み上げ相場の肥やしを撒くという意味がある。これらの目的のため、何回か株をまとめて売って瞬間的に株価を下げ、意図的に押し目を作ることで過熱しすぎないようにする。「冷やし玉を入れる」とも言う。
売り逃げ
十分に利益が出た所で、かなり早い段階で売り逃げる。この後にも、一般投資家がトレードを続け、誰が「高値つかみ」をしてババを引くか……という「度胸試し」が始まる。安値近辺で空売りを仕掛けた投資家が耐え切れなくなって買い戻し、踏み上げられたタイミングで売り逃げる場合もある。
急落
一般的には、まもなく株価は急落し、一過性の祭りが終わる。出来高の少ない状態になり、高値掴みした仕手の犠牲者は、売るに売れない「塩漬け」状態に陥る。もしくは、急落に耐え切れずに、泣く泣く「損切り」を余儀なくされる。銘柄によっては業績・業容に見合わぬ高原状態を半年1年と続ける場合もあるが仕手が売り逃げに失敗している場合や鉄砲取引の前兆である場合が多く、ある日何の前触れもなく暴落して終わるようなことが多い。
リバウンド
大きな出来高をともなって急落した後、出来高が減り下げ渋る。その出来高が細った時に、再び買い仕掛けをし「先に高値を抜く」期待を持たせ再び上昇させる。そこで残っている株を売ったり、短期で利益を得たりする。またストップ安の次の日に買い気配で始める等して残りの株を売っていくようなことも多い。
スクイズ玉締めともいう。商品市場において、空売りの踏み上げを狙って、人為的に品不足の状態をつくりだし、主に当限の値段を吊り上げる状態をいう。買い仕手がよく使う戦略。嫁姑現象が起こりやすい。
リバウンド
大きな出来高をともなって急落した後、出来高が減り下げ渋る。その出来高が細った時に、再び買い仕掛けをし「先に高値を抜く」期待を持たせ再び上昇させる。そこで残っている株を売ったり、短期で利益を得たりする。またストップ安の次の日に買い気配で始める等して残りの株を売っていくようなことも多い。
スクイズ
玉締めともいう。商品市場において、空売りの踏み上げを狙って、人為的に品不足の状態をつくりだし、主に当限の値段を吊り上げる状態をいう。買い仕手がよく使う戦略。嫁姑現象が起こりやすい。