やっと終わりました1週間。
日本では、安保国会、アメリカでは、FOMCと。
でも、イベントが騒がしかった割には、指数は前の週に比べると、大きく動いていません。騒いだのはマスコミと証券会社で、市場関係者の多くは、結果を先読みして冷静に動いたのではと推測します。
1週間前の私の予想では、売り方の外国勢と買い方の国内勢とのせめぎ合いで、18,000円を割ることなく、じり高に推移するとしました。月曜日に1日だけ18,000円を割りましたが、あとは売り方の買戻しで木曜日までは高値追いとなりました。ところが、FOMCで金利据え置きが決まると売りが優勢になり、結局18,070円で引け、週間では若干のマイナスとなりました。
先週の主体別売買動向を見ると、外国人の記録的な売りが目につきますが、その割には下がっていないのが不思議です。国内勢が買ったのは間違いありませんが、本体はよくわかりません。
これからは、ファンド筋が金曜日の下げでどれだけ売り持ちを解消したかわかりませんが、貸株の返済を控えてこれ以上の売りを仕掛けてくるとは思えません。国内勢は、政局の安定と為替の落ち着きで、買い姿勢を強めてくると思われますので、連休後は月末に向かってじり高を想定しています。
国内勢は、外国人と違って、企業内容と業績を熟知していますので、平均を買うのではなく、個別銘柄を買う動きがより顕著になってきます。
先週のこの欄で、現在の相場位置が天井期にあり、天井期の投資戦略としては、
いつ暴落があってもおかしくない、
次の相場に備えてポートフォリオの見直しをする、
ことを念頭に、冬眠に備えて精一杯体力をつけ、株を持ち続けることを勧めましたが、ポートフォリオの見直しについては、次のように考えています。
まず、
1.ポートフォリオの中で、値上がりして配当率が低くなり、今後の業績の一段の向上が見込めない銘柄を選定して、売却候補とする。
2.売却候補銘柄を売却した時の代金の範囲内で、次の相場の主役になりそうな銘柄を、株価が安いときに信用で買い建てる(株数が多いときは分散して購入)。
3.9月末の配当落ち後、売却候補銘柄を売却し、その資金で信用購入玉を現引きする。
天井期は値動きが激しいので、信用の仕込みは、できるだけ安値を分散して拾うようにしたいものです(案外簡単です)。
問題は、次の相場の主役となる業種ですが、基本は、業績の伸びが期待でき、今までに大きな相場を出していないものの中から選びます。
候補としては、
高度な防衛産業
海洋防衛と資源開発
鉄道
航空機
金融
をあげたいと思います。
先日発売された会社四季報などから、自分に合った銘柄を自分の手と頭で選び、くれぐれも安くなったからといって「ボロ株」に手を出さないことです。「ボロ株」といえば、目下人気のレバレッジ型上場投資信託は、上昇期には問題ありませんが、天井期の乱高下相場では、よほどうまく立ち回らないと利益が出ない反面、下落期には、究極の「ボロ株」になりますので注意が必要です。
このような金融商品は(ノックイン債もそうですが)、投資のリスクをすべて買い手に押し付け、発行会社は手数料を受け取り知らん顔の商品です。レバレッジ2倍型のETFは、購入者が通常のリスクの2倍を背負い込んでいると理解する必要があります。
今週から、現役世代の人にとっては、楽しみの「シルバーウィーク」に入ります。退職後の世代にとっては、行楽地は混み、株式市場は休場と、どちらかというと退屈な週ですが、自分の投資方法を見直すには、いい機会になるかもしれません。
「シルバーウィーク」がお暇な方に、私の著書「波乗り株式投資法」のさわりの部分を明日から8回に分けて紹介します。ご自分の投資法と比較して、何か感じるところがあれば幸いです。