jojuさんのブログ
米国利上げフライングの可能性
米国経済はドル高によるデフレ圧力がかかりつつある。
中国など不良債権処理緩慢な国は、不良債権問題の悪化抑止のため、長期に金融緩和状態を続けざるを得ないので、そこからのデフレ圧力を回避するためには米国も長期に緩和を維持せざるを得ない。
でなければ、内需向け含め製造業が停滞し(その兆候あり)、現在の雇用好調の原動力になってるサービス業、非製造業にも悪影響が及ぶことになるだろう。
現在、米国の失業率は2004、2005年並みに低い。
一方、インフレ率は2%よりやや低く、2%になかなか復帰しない状態。
雇用から見れば利上げは正当化でき、リーマン前の利上げ遅れの記憶が生々しいFRBメンバーも多いので、雇用指標重視で利上げに踏み切る可能性は低くない。
しかし、雇用はインフレ率(≒金回り、通貨流動性、景気水準)の下流の指標なので、雇用指標重視での利上げはフライングになる可能性が高い。
これは米国景気に一時的な凹みを起こすだろう(米国以外には短期的にプラスだが、やがて米国経済の凹みの影響が及ぶ)。
さらに利上げに固執しすぎれば世界的な景気失速にもなりうる。
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米国が取るべき道は、インフレ率中心での金融政策。
この方向ならば景気の凹みは回避できる。
しかし、中国などの金融緩和が長引く状況、中国発デフレ圧力がかかる状況では、米国のインフレ率は上がりにくく利上げは進みにくく、資産バブルを起こしやすい。
これはリーマンに至った過程と同じパターン。
米国は資産バブルを防ぐべく資産市場をウオッチし、資本規制を強化していく必要がある。
こうした措置は、米国から中国への金融資金移動になり、中国経済にバブル方向の圧力をかけることになるだろう。
中国はバブル再来を防ぐため不良債権処理を迅速化せざるを得なくなる。
不良債権処理を行い、緩和的な金融政策を早期に正常化(中立化)する必要に迫られることになる。
そうなれば、米国の金融政策も中立化しやすくなる。
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中国は不良債権問題を悪化させないためにある程度の金融緩和が必要であり、かつバブル再燃を防ぐ規制も必要。
ある程度の緩和環境下で不良債権処理を迅速に進め、規制を早期解除するのがベストだが、不良債権処理にたぶん政治的障害があり、なかなか進んでいない。
なので、緩和と規制のはざまで経済政策が右往左往し、不安定になっている。
経済統計の不正確さから景気状況は見えにくく、適切な水準、タイミングで経済政策を打てないので不安定さが増幅してる。
今は規制が効きすぎて冷え込み側に景気が寄った状態。
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