住宅金融を手掛ける米政府支援機関(GSE)の財務体質を不安視する声が強まっている。問題になっているのは連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の2社。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を受けた業績の大幅悪化で国有化の議論も出始めている。2社が発行する債券は海外の買い手も多く、信用不安が広がれば「ドルの信認」が揺らぎかねず、米金融市場の新たな火種として浮上してきた。
11日の株式市場では経営不安懸念などから両社の株価が急落し、ともに前日比の下落率が一時、約5割に拡大する場面があった。両社の株価は今週に入って急ピッチの下げが続いており、昨年末比の下落率はともに8割前後に達している。
両社は米国内の住宅金融業務に特化しているため米住宅市況低迷の悪影響を特に大きく受け、昨年10-12月以降の半年だけで最終損失の合計額は83億ドル(約9000億円)超に上った。


