映画ずきのしんちゃんさんのブログ
下げ止まれず
8月25日の日経平均は、107806(-733.98)。大きく動いたが結局長い上髭を引いた陰線。四つもギャップをあけての急落なので、このあたりで反発しても不思議ではなかったのだが、途中でプラスに転じる場面もあったが結局反発できなかった。日脚RSIは13、RCIも-91まで来ており、当面下げすぎのシグナルがでている。しかしトレンド的には日脚は急速に下降する基準線、転換線の下、雲の下で、下値の支えがなくなっている。週足も、基準線転換線の下で、17317の雲の上限まで支えがない状況。週足パラボリックも下向き、週足MACDはなおプラスだが急速に下降している。月足でみると現状は転換線18811の攻防となっている。守りきれるかどうかはわからないが、月足のパラボリックも下降に転じており、2014年9月からの上昇トレンドはここでいったん挫折した形となっているので苦しそうだ。月足のRSIなどはまだ高く、値幅はわからないが、少なくとも日柄では一定の期間の調整が入ることになろう。
日経平均については6月に高値をつけてから天井形成を疑っていたが、7月、8月と三尊天井のようになったため、チャートからみると、8月12日からの急落は、ある意味では当然の展開といえなくもない。もっともNYのダウのチャートは日経平均よりも形がさらに悪く、週足も雲を下抜け、月足も16544の基準線を割り込んでいて、このまま基準線を回復できないと13583の雲の上限まで支えがなくなっている状況で底がまだみえてこない。上海総合は、経済の実態をどれくらい反映しているのかよくわからないが、こちらも3000ポイントを割り込み、週足は基準線転換線の下、雲の上限近辺まで落ちてきており、月足も3562の基準線をきってきており、2240ポイントあたりの雲の上限まで支えがない状況になってしまっている。いずれも底値をさぐるプロセスの最中といってよいであろう。
同時株安の背景にあるのは、中国経済の失速ということで衆目は一致している。確かに電力消費量は前年同月比でマイナスともいわれており、成長率7%というのは全く信用できない。しかしどうも中国は経済だけではなく、反腐敗闘争が上海閥の重役に及んで、習政権と上海閥の全面的な対決が起こっているとも伝えられ、政治も予断をゆるさない状況にあるようだ。そういう中で中国政府が景気対策を機敏にうてるかどうか。景気浮揚対策を打つといっても、中国経済は、過剰設備になっており構造転換がもとめられている。従来型の公共投資や金融緩和で機能するかどうか不分明だ。稚拙で強引な株価対策といい、為替の人為的操作といい、マーケット関係者が中国株を見切ったという話がでてもおかしくない有様だ。
日本株だけは企業業績好調で例外であるかのようなことを言っていた解説者がいたようだが、チャートの形状からみて不安定な高値圏にあったことはしばらくおくとしても、市場の構造からいっても7割が外国人投資家なのだから、NYがさげれば利益を確保するために日本も下げるのが当然で、日本が偶然「巻き込まれ」たわけではない。また中国株式の崩落の背景になっているのが中国経済の減速である以上、中国を第二の貿易相手国とする日本の実体経済に影響がおよばないはずはない。さらにリスクオフで円高になってゆけば、円安→輸出企業の好業績→賃金上昇といった楽観シナリオは破綻する。安保法制で国民の支持を失いつつつある日本の安倍政権は、看板の経済政策でも、窮地に追い込まれつつあるようにみえる。
ともあれ、しばらくは底値形成の形状がでてくるまでは、落ちる短剣をつかむな、ということに尽きるだろう。