明日から仕事盆休みも終わり、明日から仕事だという人も多いだろう。俺は・・というと、もちろん盆休みなどない。年中無休である。年中無休というと、常に働いてるという印象を受けるが、そうではない。そうではない事くらい、皆様ご存知だ。ご存知なのよ。年中無休だが、年中お盆休みとも言える。そんな俺が今日、こんな日にまで働かなくてもいいじゃないか・・・という人種をみつけたのである。世間ではお盆だ。それでいて日曜日でもある。ご苦労なこった。一人の若い男が、所在なさげに立っている。暑い中、タオルで顔を拭こうともしない。そんな交差点の端っこで何やってんだよ。邪魔なんだよ、邪魔邪魔。恐らく、上司に無理やり営業に出されたのだろう。その姿は熱心に働いてるようにも見えなくはないが遊んでいるようにも見える。一見して、若い男のようだった。嫌々仕事しちゃイカンぞ!俺は思った。どうせ働くのならしっかり働け・・・と。「アイツ・・・仕事してんのかよ!?」「そんなトコにボケ~ッと突っ立ってないで、仕事しろよ仕事!」その若い男を横目で見ながら、俺はその脇を通り抜けた。その瞬間、その男と目が会った。あ!若い男が俺に近寄って来た。よほど嬉しいのか、ニコニコしている。本日、ようやく初めての仕事が回って来た的な・・・ね。そして、男は仕事が出来る喜びを噛みしめるように嬉々とした笑顔で俺に声をかけて来たんだ。男はこう言った。「すいませ~~ん。免許証拝見出来ますか?そこ一時停止なんですよね。」い、い、一時停止!あああ~~~、一時停止忘れた~~。その若い男は、どう見ても警察官だった。そんな事は最初から気付いていたんだ。気付いていたのに・・・なぜ・・・停まらなかったんだ。しかしもう遅い。「5000円になります。」「ありがとございやした~~~~」切符を切ると若い警官はその場を立ち去った。俺は男に仕事をさせた。本日始めての仕事をさせなおかつ、金までくれてやるという何とも言いようもない理不尽さ。世の無常さよ。俺は泣きながら帰宅した。