さよなら諭吉

投財堂さん
投財堂さん
猛暑の中コンビニで、某料金を支払って来た。支払い総額は、2322円である。暑さで頭がボッ~としていたせいか料金を確認せずにコンビニに入った。今考えれば、それがいけなかったのだ。これが運命なのだ・・・と、思えば大した事はない。しかし、本当にこれが運命なのだろうか?なぜ、今ここでなのか?果たして、今ここで、この状況に陥る必要があるのだろうか?では、その事態を説明しよう。本日・・・俺にしては珍しく、1万円札を所持していた。支払い額は2000円ちょっとなので、それは問題ない。1万円札とは別に、小銭もチャラチャラしている。俺はコンビニのレジで、支払い用紙を2枚出した。総計は先ほども書いたが、2322円。「2322円ね。はいはい。今出しますよ。」俺はまず小銭の方から確認した。基本的に小銭入れは持たない。ズボンのポケットに直接入れている。ポケットの中身から小銭を鷲掴みにした。おっ、1000円札が2枚あるな・・・どれどれ・・・百円玉は・・・2枚か・・・50円玉が・・・1枚・・・10円玉が・・・7枚ね。1円玉はあるかな、1円玉は・・・おっ、1枚あるじゃん。ええと・・・合計は・・・いくらかな・・・???え?合計は・・・?え、え。。。にせん さんびゃく にじゅう いち えん?2321円。2321円!!支払額、2322円に対し、2321円かよ!?ええ~~~~~1円足りない!この状況で、1円足りないって有り得るかフツ~~。1円足りないだけで、1万円出さなきゃいけないのかよ。あと1円じゃんよ。けたたましく足りないのならまだ分かる。しかし足りないのは、たった1円だ。払いたくねぇ~~~1円くらい、どこかに落ちてないか?レジの前でキョロキョロする俺。レジの女の子がそんな俺を不審な目で見ている。まずい。このままでは・・・疑われる。ここは一つ穏便に1万円札を払い、7678円のおつりを貰うか?いやいや、待て待て。あと1円あれば、俺は1万円札を払わずに済むのだ。この次いつ1万円札に会えるか分からない。せめて・・・もう数時間、諭吉の肖像画を拝ませてくれい。このまま家に帰れば、1円玉の1枚や2枚どこかに落ちてるはずだ。帰ろう!しかし・・・このクソ暑い中・・・また往復するのかよ。それも嫌だった。やだやだやだ。帰りたくない。1万円札は払いたくないし、帰りたくもない。そうなると、俺が取れる手段はこれしかなかった。真剣な眼差しでレジの女の子を見つめ・・そして俺は言った。「1円ちょうだい」一瞬そんな妄想が脳裏をよぎったが結局、泣く泣く1万円札を払うハメになってしまった。レジスターの中に消えて行く諭吉。俺はつぶやいた。「さよなら諭吉」
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