渦中の中心として話題性に事欠かず、頭痛の種として世界経済を翻弄して続け、財政破綻を頻発させる常習犯(1820年~1930年の間で債務不履行は5回)でもあるギリシャ
緊縮財政の可否を巡り、決行された国民投票(7/5 支出額 約27億円)で緊縮財政反対票が賛成票を上回り、開票結果には驚きはないが、大幅(反対 61.31% 賛成 38.69% 投票率 62.5%)に上回った開票結果は予想外だった
年金支給削減(約3割)や恒久化している失職状態(失業率26% 25歳以下は50%強)などにより、ギリシャ国民が疲弊しているのは理解でき、チプラス首相を含めたギリシャ国民の行為(緊縮財政反対)を軽蔑するのは簡単だが、『東京オリンピック以降(2020年)に日本も緊縮財政策による金融支援問題に直面する可能性があり』、余所事ではないのかもしれない
良かれ悪しかれ一挙一動に注目が集まるチプラス首相だが、新たな金融支援の合意に向け、提出した財政改革案はEU(欧州連合)側に譲歩した内容は『民意(国民投票の結果)を一掃した背信行為』だが、もし信任を失わず、チプラス政権が長期政権を築くのであれば、チプラス首相は非凡な政治家なのかもしれない
決行した国民投票の目的は、緊縮財政反対派(反EU)の発言力を削ぎ、国民目線である自身(チプラス首相)の存在を訴え、『EU側に簡単に屈服したサマラス前首相やパパンドレウ元首相との差別化が狙い』で、EU(欧州連合)側に譲歩したとしても勇敢に抵抗した指導者として、『ギリシャ国民に前・元首相よりも最善な指導者だと宣伝(国民投票)』し、支持率の低下を最小限に抑えるのが狙いだったと感じる
ただ、チプラス政権が長期政権になれば市場(株式、為替など)が翻弄される場面は多くなるとは思うが・・・