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プエルトリコ、デフォルト危機へ秒読みの可能性 負債額720億ドル
カリブ海北東に位置するプエルトリコ自治連邦区は、9年連続の景気後退、20年間の借入超過に苦しんでいる。
緊縮財政と増税が試みられているものの、同区は債務不履行(デフォルト)に陥る可能性がある。
プエルトリコは、7月1日にスタートする2016年度の財政について、予算額を98億米ドルと同意した。
上下両院は、数日中に、具体的な財政削減について話し合うだろう。6億7,400万米ドルという利子を支払うための削減や、
720億米ドルの負債を返済するための削減が必要になる。
上下両院は、7月1日までに予算を決めなければならない。それによって、政府を運営するための資金として
もう10億米ドルを借りることが可能になる。また、来月からの売上増税・使用増税で追加歳入がもたらされる見込みである。
プエルトリコは、7月だけで19億2,000万米ドルの元利金支払いに直面する。
アレジャンドロ・ガルシア・パディラ(Alejandro Garcia Padilla)知事は急激な削減を提案した。
しかし、それでも2006年以降初めて、政府機能が部分的に停止される可能性が拭いきれない。
ワシントンにある投資会社「ハイト証券(Height Securities)」によれば、プエルトリコには、
来月に期限となる一連の負債をすぐに返済するための十分なキャッシュフローがある。
しかし、日常の業務運営をカバーするための資金はほとんど残らないという。
ハイト証券のアナリストであるダニエル・ハンソン(Daniel Hanson)氏は「私たちは、
プエルトリコ公務員の35%から40%程度が休暇ということになると考えている。
2006年のときは、ゴミが通りにあふれかえっていた。交通機関が停止し、人々は移動できなかった」と述べた。
プエルトリコは、公務員への給料遅延、政府内での貸し借り、税金還付の遅延などを駆使し、複雑な資金のジャグリングをしてきた
政府開発銀行の現金プールは、6月初めの段階で7億7,800万米ドルまで減った。(昨年10月には、20億米ドルあった。)
プエルトリコの自治体債は、米国の機関投資家にとって魅力的な債権であり、比較的低リスクでリターンを獲得できるとみなされてきた
同地域には政府が発行している債権が280億米ドルあり、憲法によって支払いを保証されている。
ウォートン・スクールのマウロ・ギエン教授は、「プエルトリコのあり方は、借りる側にとって、実に有利だった
プエルトリコには、固有の外交方針がない。固有通貨もなければ、銀行の監督者もいない。これらすべてのことは、米国から提供される」と説明した。
しかし、2013年にデトロイト市が破産して以降、投資家たちは地方債への態度を吟味し始めた。発電や下水処理など
、コモンウェルスが運営しているサービスに対する債権については、特にそう言える。その結果、政府はヘッジファンドへ今まで以上に頼らざるを得なくなった
ヘッジファンドは、リストラなどによって高いリターンがもたらされることを期待している
プエルトリコは、人員削減、公共サービス削減、新たな歳入源獲得などを模索している。それらを実行するためには、さらに資金を借りる必要がある。
しかし、貸し手を引きつけるためには、改革戦略を示さなければならない。その改革には、多くの不人気な改革を含むことなる
法制化には時間がかかる可能性もある。
ギエン教授は「長期的には、経済全体の競争力を高めるために、民間部門における雇用と公共部門における
雇用のバランスを見つける必要がある。問題を先延ばしにすれば後がつらくなる。また、市場は宿題を放置すること許さない」と述べた。
将来に起こりうる可能性があり、物議をかもしている施策の一つは、プエルトリコ電力公社の民営化である。同公社には87億米ドルの負債があり
7月1日の支払いで債務不履行に陥る可能性がある。また、下水道と高速道路を管轄している公共団体にも多額の負債がある。
2009年から2013年までプエルトリコ知事を務めたルイス・フォルティノ氏は、収益性の改善を目的として
歳出削減、公共機関の民営化など、多くの不人気な対策を実施した。
同知事の下、プエルトリコの国際空港やバスは民営化され、二つの主要な高速道路がゴールドマン・サックスを含む借款団によって
経営されることになった。政府が所有していたホテルは売却された。ウォール街から賞賛された同氏が、公務員をリストラしたことなどにより敵を増やした
フォルティノ氏は、「私は歳出を削減し、そして再選されなかった」と述べた。現在、同氏は、ワシントンで弁護士をしている。
政府が所有する大きな資産を民営化するには時間がかかるかもしれない。ガルシア・パディラ現知事は、増税や歳出削減などを決めたために、
すでに批判にさらされている