【投資脳のつくり方】邦銀協調融資、外国企業向け大幅増

[木下 晃伸さん]

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下 晃伸（きのした てるのぶ）です。

●騰落レシオ

一進一退が続いています。
10連敗の平均株価ですが、
騰落レシオは未だ80ポイントを上回っています。

一歩踏み出すタイミングが近づいたとはいえ、
もう一段の暴落も考えられるタイミング、、、

全世界の投資家が悩むタイミングではありますが、
私は、投資タイミングとしては、もう一段待ちたいと考えます。

そのとき、短期的にとどまる可能性があるかもしれませんが、
大きなチャンスがやってくると思います。


●それでは、雑誌「マネージャパン」ホームページに平日毎日連載している
「経済アナリストが斬る！投資に役立つ3大ニュース」をご覧下さい。

本日もよろしくお願い申し上げます。

※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
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【経済アナリストが斬る！投資に役立つ3大ニュース】
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１．邦銀協調融資、外国企業向け大幅増

２．「異色」の携帯、攻めの好機

３．原油高にいらだち隠せず

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１．邦銀協調融資、外国企業向け大幅増

（出所）2008年7月2日付日本経済新聞朝刊9面

　●主要行の6月末時点の株価は、3月中旬の時点を下回る
　●3月中旬当時は、ベアー・スターンズの実質破綻というショックがあったとき
　●株価下落で追加増資が難しくなっていることも株価下落に拍車

米株式相場が不安定な動きを見せる中、米大手銀の株が急落している。
主要行の6月末時点の株価は、大手証券ベアー・スターンズが
実質破綻した3月中旬の水準を既に下回った。
7月半ばの4-6月期決算発表を前に一段の損失が懸念されているため。

落ち込みが激しいシティグループの株式時価総額は
6月末で905億6,000万ドル（約9兆6,000億円）と米銀3位に転落した。
株価下落で増資が難しくなっていることも悲観論に拍車をかけている。

それはそうだろう。
増資の際に資金を出した政府系ファンドなどは、
そのほとんどがその後の株価下落でかなりの含み損を被っているはずだ。
なかなか資金を新たに出すことは難しいだろう。

米銀の株価下落にふられて、邦銀の株価もここにきて急落している。
底堅く推移していた日本株を支えていた邦銀の株価が下落に転じてしまえば、
日経平均株価自体も下落に転じてしまうことは仕方がない。

では、この水準をどう見るか。
本日の下落により、証券不況時の1965年2月19日から3月2日以来
43年ぶりの前日比10連敗となった。
しかし、当時の日経平均株価は、その1年後には、2割以上の上昇を見せていた。
いよいよ最初の「陰の極」が来た。
慎重にかつ大胆に一歩を踏み出すタイミングが到来し始めたと考える。


２．「異色」の携帯、攻めの好機

（出所）2008年7月2日付日経産業新聞3面

　●異色の携帯「スマートフォン」で攻勢を仕掛ける台湾メーカー
　●その名は、台湾HTC(High Tech Computer Corp)
　●日本市場についてよりも、世界で活躍できるかどうかが重要

iPhoneを筆頭に、日本国内の携帯電話機市場に
海外メーカーが攻勢を仕掛けている。
スマートフォン専業として世界市場で存在感を増す
台湾HTC(High Tech Compu ter Corp)も例外ではない。

まずは、株価をご覧いただきたい。
（http://jp.reuters.com/investing/quotes/chart?symbol=2498.TW　）
短期的な株価下落はあるも、堅調な推移だ。

なぜか。それは、スマートフォンという形態にヒントがある。
スマートフォンとは、大型の液晶画面やキーボードを搭載した携帯電話。
通話やメールだけでなく、スケジュール管理やネットサイト閲覧などが可能で、
PDA（携帯情報端末）として仕える。
キーボード付きの製品が多いが、テンキーやタッチパネルの製品も増えている。
HTCは、ウィンドウズモバイル搭載製品で世界シェア約８割を持つ。

実際に海外に訪問すると、少なくとも、
インドやベトナム、マレーシアのエグゼクティブは
スマートフォンを駆使していた。
数字を見ると、欧米やアジアにおける販売は、
992万台（07年12月期）と2年で約4割伸びている。
さらに、現在は自社ブランドが大半を占めているため、
収益率も高い。営業利益率は25％を超える。

日本では、携帯電話機メーカーへの投資は魅力が低い。
しかし、海外ではどうか。
世界に目を向けることで、長期投資にも耐えうる企業は見つかる。
全世界の株価が下落している今こそ、逃げずに愚直に調査を行うことが、
後々大きなパフォーマンスとなって返ってくる。


３．原油高にいらだち隠せず

（出所）2008年7月2日付日本経済新聞朝刊5面

　●ブラジル訪問中の甘利明経済産業相
　●原油高に不満げ
　●代替エネルギーの広がりが原油価格沈静化につながると期待

「代替燃料の普及で石油市場で大もうけしている金融関係者に大損をさせたい。
日本のエネルギー担当相としての意地だ」

ブラジル訪問中の甘利明経済産業相は30日、
訪問先のサンパウロ州内のバイオ燃料プラントメーカーでスピーチし、
沈静化の気配が見えない原油価格にいらだちを示したようだ。

ブラジルに先立ち訪問した中東で
「サウジアラビアなどから増産の約束を取り付けたのに、
相変わらず油価が高い。不当に市場がかく乱されている」と不満げだったよう。
バイオエタノールなど代替燃料が広がれば
「冷静に行動するきっかけになる」と期待を示した。

日経新聞の小さな記事なので目立たなく、
かつ、どういった会話の中でこういった発言がなされているのか分からないが、
甘利経財相の発言には疑問符をつけざるを得ない。
金融関係者が大もうけするもなにも、
本当に儲けているのは産油国であって、金融関係者ではない。
問題のすり替えのように思う。

甘利経財相は、昨年カザフスタンへの訪問を行ない、
原発の原料であるウランの確保を仕切るなど、
エネルギーへの感覚に優れた政治家だと思う。
石油価格の高騰という前代未聞の状況に、
感情的になることは分かるが、誰かを損させたいという言葉は、残念に思う。


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（ 文責：木下 晃伸 きのした てるのぶ ）

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