さて、3月の訪日外国人数が単月として過去最高を記録、152万6000人と150万人を突破しています(政府観光局調べ)。昨年の3月は105万0559人でしたので、前年同月比では45%の大幅増です。これまでの単月過去最高は今年2月の138万7000人であり、2ヶ月連続で単月過去最高を更新です。
国・地域別では中国からが33万8200人でトップ、前年同月比では83%の大幅増となっています。次いで台湾からが27万7900人で同33%増、韓国からが26万8200人で39%増、香港からは11万7200人で81%増。
米国からは9万5600人で18%増、タイからは9万2400人で29%増となっています。
4月も桜の観賞を目的とした訪日旅行需要の拡大、円安傾向の継続、そしてイースター(4月3日~6日)、清明節(4月4日~6日)、ソンクラーン(4月13日~15日)等の休暇があり、好調な数字が出そうです。
年間ベースでは一昨年(2013年)に訪日外国人数が1036万人と初めて1000万人を突破。そして、昨年(2014年)は1341万人と更に30%近い大幅増となっています。その訪日外国人の昨年の消費規模(インバウンド消費)は2兆円を突破し、そのうち約半分は中国人の「爆買い」です。
中国人客が銀座のデパートで買い漁る光景がニュースで度々流れていますが、世界観光都市連盟が発表した中国人観光客の海外での平均消費額は1人当たり約36万円に上ります。
13年に海外へ出かけた中国人観光客は延べ9819万人、観光消費は1287億ドル(約15兆4000億円)に達します。国民のわずか5%というパスポート保有率からすると、同じ人が何度も海外へ買い物に出かけています。
昨年、日本を訪れた外国人旅行者1341万人のうち中国人は240万人と全体の18%。中国では春節期間の1週間ほどで500万人以上が海外旅行に出かけるというのですから、日本に来た年間240万人は驚くほどの数字ではなく、そのうち日本へ年間1000万人近くが押し寄せる時代がきそうです。
JTBは今年の訪日外国人数を1500万人と予測していますが、現在の増加ペースだと1600万人程度となり、政府目標の20年2000万人は17年にも達成しそうです。
個人消費は今後、デフレ脱却、訪日外国人の急増を背景に本格回復へと進むことになり、特に百貨店はデフレ経済による長期不況を脱し、高付加価値消費志向の高まりを受けて好業績が期待できます。
そのど真ん中銘柄、訪日ブーム・インバウンド消費の代表格として『三越伊勢丹』(3099)。4月16日には2288円まで上昇して3ヶ月余りで800円超、率にして50%超という急騰を示現しています。さすがに足元一服していますが、一服後は再び動き始める公算大。
他にも大丸と松坂屋が統合の『Jフロント』(3086)、中国人が大好きな『ドンキホーテHD』(7532)、コンビニでも爆買いが見られることから『セブン&アイHD』(3382)。
羽田や成田など主要空港で免税店運営を手掛ける『日本空港ビル』(9706)、免税対象が昨年10月から化粧品や大衆薬にも広がったことで『コーセー』(4922)や『資生堂』(4911)、土産物として人気の高い日用品や菓子などを販売する『マツモトキヨシHD』(3088)などのドラッグストア。
鉄道やホテルも潤っており、訪日客需要を背景にホテル事業の平均単価が上昇中の『西武HD』(9024)、東京や京都を巡る「ゴールデンルート」が好調で純利益過去最高見通しの『JR東海』(9022)、東京都心への玄関口となる品川駅を利用する外国人客が増えていることで『京浜急行』(9006)・・・等々、こうしたところは関連銘柄として押さえておく必要があります。