TPPなど貿易自由化の目的は、相互に保護業界の保護を排除し、互いの経済成長を高め合うこと。
保護業界では市場原理が働かず、陳腐な製品・サービスが割高に提供される。
これは国民益にマイナス。
貿易自由化で保護を撤廃すれば、国民は良い製品・サービスを割安に得られるようになる。
また、相手国の保護業界にも切り込める。
非保護業界は活性化し、保護業界から人材・資金がシフトし、国全体の経済成長も高まる。
つまり、貿易自由化は消費者(需要側)、生産者(供給側)双方にとってプラスで、要するに国民益に大いにプラス。
自由化の痛みは、保護業界で一時的に生じるに過ぎず、中長期では保護業界にいたヒトにもプラスになる。
自由化に反対する人は、目先の小さい利益に固執して、持続的な大きな利益を得損なう。
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TPP交渉に関して、日本は不利な条件を呑ませられないか、と憂える意見もある。
例えば、米国の制度・基準を強要されたり(デファクトスタンダード)、強制的な輸入割当(ミニマムアクセス)を課されたり、という懸念がある。
しかし、これらは杞憂に過ぎない。
もし、こうしたことを米国がやれば、それは米国側の自爆になる。
短期的一時的に米国に利益をもたらしても、中長期的、持続的に米国経済の競争力をそぎ、米国はより大きな利益を逃し続けることになる。
なぜなら、商売の基本は、商売で稼ぎ続けるには、「顧客が欲しがる商品・サービスをより安く提供すること(顧客貢献力、社会貢献力の増大)」、、、これに尽きるのだが、自国基準の強要や輸入割当はこれに逆行するからです。
だから、基準強要や輸入割当を他国に課しても、稼ぎは、ある程度以上には膨らまない。
むしろ、これらの措置は自国産業への保護になり、自国産業の競争力(=国内外の顧客への貢献力、提案力)を低下させる。
実際、かつて米国は自動車産業で日本車の輸入制限を課したが、結果は惨憺たるものになった。
米国の自動車産業はそれでは復活しなかったどころか、衰退の度合いを増した。
デファクトスタンダードについても同じことが言える。
自国基準を他国に強要出来れば、自国企業にとっては楽ちんだが、それは必ずしも相手国側の消費者需要を十分満たすものにならない。
むしろ、自らの商売の幅を狭めることになりかねない。
なぜなら、基準や制度というのは、各国の文化や風土に根付いたものなので、自国基準を他国に強要するほど、他国の消費を掘り起こせなくなるからです。
、、、日本の官僚は以上の点で大いに誤解しているように見える(特に経済産業省)。
米国では民主党政権(労組が支持母体ゆえ、楽ちんな自国基準強要を他国にやりがち)が上記のような過ちをよくやる(笑)
しかし、市場原理をゆがめる行為に未来はない。