各地の気象台では、季節の移り変わりを動植物の動向で知ろうとする試みとして、ウメやサクラの開花、ヒバリやウグイスの初鳴き、モンシロチョウやホタルを初めて見た日などの観測を行っています。
ちょうど今は台湾やフィリピン、マレー半島などで越冬したツバメ(燕)が日本に渡ってくる時期で、昨日は横浜でツバメの初見が報告されています。
穀物を食べずに害虫を食べるツバメは、日本では古くから益鳥として大事にされ、ツバメが巣をつくる家は栄え、商家なら商売繁盛、繁栄と幸福をもたらすとされる縁起のいい鳥でした。しかし今は、ふん害などにより害鳥と見る向きが増えています。
話しは変わりますが、「元始、女性は実に太陽であつた」の文章で知られる平塚らいてう(ひらつか らいちょう)は、明治末にフェミニズム(女性の社会的、政治的、経済的権利を男性と同等にし、女性の能力や役割の発展を目ざす主張および運動)を展開した人でした。
その平塚が年下の青年画家と恋に落ちるのですが、その事が波紋を呼び、結局その青年は身を引くことを決心します。その際、平塚に宛てた手紙には下記のように書かれていました。
「静かな水鳥たちが仲良く遊んでいるところへ一羽のツバメが飛んできて平和を乱してしまった。若いツバメは池の平和のために飛び去っていく」
これを平塚自身が雑誌で公開したため、「若いツバメ」が流行語となり、それ以来、女性の愛人となっている年下の若い男を「若いツバメ」と呼ぶようになったそうです。