どこまで調整するか

 4月17日の日経平均は19652.88(-232.89)と久々の大きな下げとなった。19581の25日線はまだ維持しているが、19753の転換線を割り込んだ。MACDも急落しており、4月6日にあけた窓があるので、これを埋めてくるとすると転換線あたりで止まるのはなかなか難しいのではないかという気がする。さしあたりは19466の基準線あたりまで調整するのではないだろうか、と思われる。問題はそこで底を打つかどうかだ。週足をみると、週足の転換線は18953にあるが、週足のMACDもシグナルを切ってきており、RSIも81%と非常に高いので、値幅的にどこまで調整するかはわからない。少なくとも日柄的には週足の指標が落ち着くまで一定の期間調整が続くのではないか、という印象だ。

 一番の懸念は為替が118.86と日足一目均衡表の雲の下118.93、週足転換線120.13を大きくわりこんできていることだ。下ヒゲが長く、円高への抵抗も大きいようだが、日足の雲を下抜けてしまうと、一目均衡表ではドルの下値の節目がなくなり、週足基準線114.13まで大きく下げ余地の空間が広がる。日足のMACDはマイナス圏に入ってきており、パラボリックもDMIも円高方向になっており、しばらく円高への圧力が増しそうだ。背景にはアメリカの景気の足取りの鈍化がある。製造業の景気指数は昨年末から低下しており、鉱工業生産指数も低下傾向にあり、アメリカの金利がすぐ上昇する見込みは薄れてしまった。要人からはドル高への懸念の声もでている。このようにみると円安の流れは変わりつつあり、量的緩和による円安→輸出企業の収益改善というアベノミクスの効果への期待が揺らぎつつあるという懸念が拭い切れない。

 消費税のアップを見送ったために財政出動は難しく、規制緩和などの構造改革はちっとも具体策が見えてこない。安倍政権の関心が、安保問題憲法改正などに移っているようにもみえる中で、一段の金融緩和やTPPの妥結といった材料がでてこないと、調整を脱するモメンタムはなかなかでてこないかもしれない。
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