元作家の森さんが、スペイン酒場で言っていた。
火野葦平の「糞尿譚」よりも、大岡昇平の「俘虜記」の方がイイ。
へー、そーなんですかと、オイラは答えた。
たしか「糞尿譚」って賞を取って、
小林秀雄が戦地まで出向いて授与式をやったんですよねと、
作品を読んではいないけれど、「回想の芥川・直木賞」という本で知っていたので、
オイラはそう言った。
ところで、転じるにも程があるのかもしれないけれど、
実はオイラの自宅、2階のトイレが異様に汚い。
ずっと気になっていた。
「ムー」など読んでいるとよく、
トイレが汚いとつきが落ちるという話が出てくる。
北野武や星野仙一など運のイイ人たちは、
若いころからトイレ掃除に熱心だったという話も、どこかで読んだことがある。
なんでも、ほとんど素手に近い状態でトイレを掃除したのだという。
オイラの場合、IT談合で嵌められて逮捕・拘禁されたとき、
トイレ掃除担当だった。
そのときは雑巾一枚で、ほぼ完全に素手だったのを思い出す。
北野武や星野仙一だってそーだったと知っていたお蔭で、
まったく屈辱なんぞ感じなかった。
思えば、オイラはこれが元になって「1Q84」の材料になれたような気もする。
ついていないようで、憑いていたんだな、きっと。
ところで自宅2階のトイレなんだけど、
どーやっても汚れが落ちなくて困っていた。
錠剤タイプでひと晩放置しても、びくともしない。
これはもう、きっと水が硬水なために水垢化してしまって、
どーやっても汚れは落ちないのかも知れないと、諦めかけていたんだ。
(これを素手で磨いたって、落ちないだろう)
ところが昨日、閉店前に自分の店で清掃グッズコーナーをみていたら、
オモロイ商品が目についた。
『シャット 流せるトイレブラシ』という商品で、600円台だった。
なんでも、使い捨てなだけでなく、そこに濃縮洗剤がしみ込ませてあるという。
ダメ元だと思って、買ってみた。
ワンタッチボタン周りに工夫があって、
簡単に洗剤スポンジが本体に装着出来た。
たまり水にスポンジを浸して、
磨くこと1~2分。
ほとんど水垢と化してこびりついていた汚れが、あっさりと落ちてしまった。
ニャント!
思わず声が出た。
あのひと晩放置プレイな錠剤はなんだったのか、
しかも目が痛くなるほど臭かったくせに。
用が済んだらワンタッチボタンを押すと、
スポンジが椿の散るように、ボトッと便器に落ちた。
あとは流すだけ。。
傑作だっ!
あっと驚くタメゴロウだっ。。
販売は、ジョンソン株式会社とある。
夜が明けたら、絶対に絶対に絶対に電話して、
オイラはこの感動を伝えようと思っている。
PS1:洗面所まわりの水垢でも、試してみよう。
PS2:電話ではなくって、横浜にあるという会社まで出向いて、
授与式でもしてあげようかな?
だってこれこそ、トイレの芥川賞だろう。