風邪をこじらせて寝込んでしまったらその間にまた相場が大きく動いた。(市場の元気のなさが伝染したのだろうか)まずNY木曜日が急落。金曜日もさらにさげた。木曜日の終値は11453.42(‐358.41)で1年9ヶ月ぶり安値。原油が140ドルに乗せ、GSがシテイの追加評価損の可能性を示唆したことが引きがねになった。GDPは予想通り小幅増だったが、経済指標はさえない。金曜日もさらにさげ、11346.51(‐106.91)。原油が142ドルまで上がり、消費の冷え込み、景気の先行きへの不安が広がった。昨年10月の高値から20%以上下げて弱気相場に突入したとの観測がもっぱらだ。
水準をみてみると、日足では、1月安値3月安値を下回り、完全に下降基調。ボリンジャーではマイナス2シグマを大きく切り込んでこれまでのレンジからの逸脱を示唆している。週足でみても完全な下降基調であり、週足ボリンジャーバンドのマイナス2シグマを大きく割っていて下降のエネルギーの強さを示している。日足、週足レベルでは本格的な調整局面であることは否定しがたいが、月足はどうか。月足でも1月から基準線周辺で攻防を続けていて、下値が切りあがっていたはずだったが、完全に基準線を割り、下値のトレンドラインも下抜けてしまっている。ボリンジャーでもマイナス2σまで下げきっているし、バンドも広がっている。この水準は月足の遅行線がローソク足と交差するところにある。確かにここらあたりでとまらないと、月足雲の上限10675まで大きな節目がなく、見る限りでは、さしあたり四面楚歌といった感じである。月足のRCIはゼロラインで底ばいしており、下げる余地はあまりないのではと思っていたのだが、ここまで下げるとは、正直予想の外だった。とはいえ、月足ボリンジャーが2σまで下げるとそのあたりが底で1-2ヶ月くらいで反転していることが多い。直近安値を切っているので、下げ止まりを確認しないといけないが、水準としては底値の水準にはいったのでは、とは思うのだが。
今回のNYの下げは、これまでと違って為替にも一定の反応を引き起こしている。一気にドスンと円高に動いて、106円前半。米国債10年ものの金利が数日間低下してきており、日足の基準線を下回り、週足でもピークをつけて下げ始め、転換線を割ってきている。ということは、今回のNYの株下げの背景には、アメリカ経済の後退懸念があり、そのため金利上昇期待がはげおち、日米金利差の拡大を意識して買ってきたドルの売りが起こっているということなのだろうか。日足のRCIは天井をうって急落しており、週足のRCIも天井圏で丸まっており、これから中期的に円高方向へのゆれ戻しがおきるかもしれない。とはいえ、現時点ではまだ円安基調のトレンドは崩れていない。今日の円高も、基準線105.86のすぐ上でとまっており、週足の転換線105.58もまだ維持している。月足のRCIもなお上昇中であり、円高に振れ戻したとしても、さしあたり3月のような100円を切る円高へと動く予兆はない。
NYの急落と、為替の一定の円高への振れ戻しということからみて、日経平均もNYの下げに追随してある程度下げるのはやむえをえないところだろう。金曜日の日経平均は、13544.36円(277.96円安)となった。米株大幅安と円高に反応したわけだが、水準としては、日足では雲の中に突入。遅行線も日々線を割り込んでいる。週足でも転換線を割っており、13423の基準線の上でとまっているものの、週足RCIはピークをつけて落下中。ただ日経平均は3月の安値にじまだかなりの距離があり、NYよりはいくらか底堅い。当面為替がクッションになっているともいえよう。月足のRCIは上昇中であり、月足の下値のトレンドラインも崩れていない。このまま回復トレンドを保てるかどうかは、予断を許さないものの、NYがどこまで下げるか、東京がNYの下げにどこまで耐えられるか、来週の動きは注目だろう。