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中国バブル、必死で跡始末


デベロッパーは物件(マンションや戸建て住宅)を担保にして銀行から金を借りる。その金で新たな物件を作る。その物件を担保にして銀行から金を借りる。まあ大体そんなことを繰り返して急成長するわけだ。

しかし、買い手は無尽蔵ではないし、物件が市場にあふれると値崩れするから、投資で買っていた人も買わなくなるし、先々に値上がりが見込めなければ投げ売りする。そうなると値はさらに下がる。

日本でもバブル崩壊までの右肩上がりの頃には「マンション転がし」が流行ったもので、高度成長期の中国でも大いに流行った。が、いいことは長続きしない。やがて住宅やビルは売れなくなり、デベロッパーは借金を返せなくなり、銀行に担保物件を差し出すことになる。

事実上の不動産バブル崩壊だ。

「中国の住宅市場の変化で不動産開発企業の再編加速」から。

<【新華社北京3月26日】中国の不動産開発企業の最大の業界組織である中国不動産業協会が24日、最新の中国不動産開発企業トップ500リストを発表した。これらの企業の販売収益などのデータをみると、中国の不動産開発企業は不動産市場の調整期に直面し、強い企業がより強くなり、優勝劣敗が加速していることがわかる>(以上)

トップ500未満の中小デベロッパーは続々と潰れているはずだ。

銀行に担保物件が集中することになるが、売らなければ金にならない。安くしても買い手がつかない物件は「不良資産」「不良債権」になる。物件は経年劣化するし、メンテナンスにも金がかかるから、手を拱いていると銀行自体が潰れてしまう。日本でもそうだったが、今の中国がそういう状況だ。

日本では救済機関として「地域経済活性化支援機構」「企業再生支援機構」などが作られたが、中国でも作りだした。

「銀行不良資産処理 山東省で会社設立」(SankeiBiz 4/3)から。

<山東省で唯一、地域金融機関の不良資産の買い取り・処理を行う地方金融資産管理会社、山東省金融資産管理が3月中旬、同省済南市に設立され、関連する銀行や資産管理会社など金融機関との間で戦略連携協定に調印した。中国国営新華社通信が伝えた。

山東の金融機関の不良資産処理プラットホームを構築し、地域の金融リスクを解消・防止して、地方の金融システムを保護していく方針だ。

昨年の金融統計データによると、同省銀行業の不良債権の動向はほぼ全国並みだが、上昇傾向は明らかだった。昨年末時点で不良債権残高は995億9500万元(約1兆9230億円)となっており、年初より347億8900万元増加。不良債権比率は全国平均を上回る1.86%で、年初より0.5ポイント増だった>(以上)

メガバンクも苦しんでいる。「中国4大銀の減速鮮明に 14年12月期、不良債権36%増」(日経3/31)から。

<【香港=粟井康夫】中国の銀行の収益が伸び悩んでいる。国有4大銀行が30日までに発表した2014年12月期決算では純利益の合計が8526億元(約16兆2000億円)と前の期に比べ6.5%増にとどまり、これまでの2ケタ成長にブレーキがかかった。一方で国内景気の減速による企業の業況の悪化を映し、不良債権は昨年1年間で36%も増えた。

「銀行にも新常態(ニューノーマル)に合わせたビジネスモデルが必要だ」。中国農業銀行の張雲行長(頭取に相当)は香港での決算記者会見で、かつてのような高成長は望めず、事業の抜本的な見直しが必要になるとの考えを強調した。

中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行、中国銀行の4行は国内経済の拡大や金利規制を背景に、2ケタ成長を続けてきた。最大手の工商銀で純利益の伸び率が1ケタ台になったのは、06年の上場以来初めてだ。

収益を圧迫したのは、不良債権だ。昨年末時点の不良債権残高は計4631億元と1年前に比べ36.2%膨らんだ。中国建設銀行の王洪章董事長は「経済を高度化するため、ある種のバブルを取り除いている」と認める。

融資全体に占める不良債権の比率は4行平均で1.26%だ。工商銀の易会満行長は「中国を除く世界の大手銀行30行の不良債権比率は平均3%台後半。国際的な競合相手と比較しても資産内容は良好だ」と強調する。

比率が低い一因には、バブル崩壊直後の日本の銀行と異なり、中国の銀行は不良債権を抱え込まずに外部への売却を積極的に進める傾向がある。国有の不良債権処理会社大手、中国信達資産管理では商業銀行からの債権買い取り額が急増し「新常態でビジネスチャンスが広がっている」(呉松雲副総裁)という。

だが中国の銀行による資産査定は甘いとの見方も強い。農業銀のリスク管理担当幹部は「新常態下では不良債権比率が2~3%になっても正常な範囲だ」として、不良債権の拡大傾向は当面続くとの見通しを示した>(以上)

4大銀行でさえ苦しいのだから中小銀行は青息吐息、いつ破綻してもおかしくない状況で、事実上破綻しているところはかなりあるのではないか。政府が公表していないだけだろう。しかし、そろそろ公表するつもりのようで、「銀行が破綻しても預金は最大50万元/975万円(これを超える預金はごく一部)保証するから心配するな、暴動起こすな」と言っているわけだ。

「中国が預金保険制度を5月導入」から。

<[北京3/31ロイター]中国国務院は31日、銀行の預金保険制度を5月1日から導入すると発表した。

預金保険制度は20年前から議論されてきたが、昨今の景気減速で銀行の不良債権が膨らむなど、金融市場での緊張が高まるなか、同制度の速やかな導入が必要と判断した>(以上)

中国バブル、踊りまくった「宴のツケ」「強欲どもの夢の跡」。必死で跡始末を上手くやらないとハードランディングで「失われた20年」になる。虎退治や軍拡、反日にうつつを抜かしている場合じゃないだろう。お手並み拝見だ。



1件のコメントがあります
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    jojuさん
    2015/4/5 23:59

    その見方は甘いと思います。


    日本はバブル崩壊後、金融引き締めをやり増税をやった。

    ところが中国は金融緩和を続けている。

    そして隣国・日本は金融緩和不足を続けている。

    日本から中国へ設備投資資金・技術が流出する状況が続いている。


    また、中国のバブル規模は日本の1990バブルと比べ大きいわけでは無い。


    だから、バブル崩壊からの中国経済の立ち直りは早いと思う。


    更に言えば、バブル崩壊後の不安定さは中国政府の反日指向(スケープゴート)を一層強めさせることになる。


    、、、日本の財務官僚が増税路線(官僚利権)に固執し、金融緩和抑制的(景気抑制的)な金融政策を取り続ける限り、中国の将来はイージーでその裏返しで日本の将来は非常に暗くなる。




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