●1万9778円のあと軟調となり、日足はボリンジャー+1σや転換線に続き、1月安値からの下値抵抗線も割り込み「陰転」の兆し。昨年10月安値(黒田QE2)から引く下値抵抗線は1万8300円台で週足の上昇基調に変化はないものの、テクニカルの過熱を無視して上げ続けてきただけに、日足の陰転は注意しなければならず、それは欧米株にも当てはまること。
ただ、強気相場が一気に大きく崩れるケースは少ない。天井を打つにしても何度か戻りを試しながら高値を形成することが想定される。
●新年度となり短期のテクニカルが底値圏にきて、4月中旬に向けそろそろ戻してもおかしくない。10月17日の安値期日が4月17日。本当の試練はそのあとではないか。
●日銀会合での追加緩和への可能性は低い
雇用統計の結果を受けた市場の反応については、日本時間では火曜日になる。その雇用統計については、非農業部門の雇用者数は前月比12.6万人増となり、増加幅は市場予測の平均値(25万人)の半分程度にとどまった。早期利上げ観測が後退するとの見方から円相場は1ドル118円台に上昇しており、週明けの東京市場はやや手掛けづらそうである。もっとも通過材料としてアク抜けにつながる可能性はありそうだ。今週は7-8日に日本銀行が政策委員会・金融政策決定会合が開催される。日銀が1日発表した3月の短観は企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業の製造業でプラス12となり、前回の昨年12月調査と比べ横ばいになった。日銀が掲げる「2%の物価目標」が実現できていない状況に対して黒田総裁は、インフレ率が低下する可能性があるという認識を示した。そのため、追加緩和への可能性は低いだろう。ただし、コンセンサスを下回る結果となる中で、市場反応としては追加の緩和期待への思惑が高まりやすい。
●外国人売りで年金が買い主体、ゆがみ警戒も順張り姿勢
GPIFは、2015年度の運用計画を発表し、日経平均株価などの市場平均を上回る運用を目指す「アクティブ運用」を増やす方針を示している。公的年金が主体となるなか、株価のゆがみを警戒する声も聞かれているが、新年度入りとなるなかで需給の下支えとして期待は高まる。需給環境が良好ななか、順張りスタンスを継続。ただし、海外勢の利益確定の流れが強まるような状況においては、相対的に出遅れているセクターや銘柄にシフトしやすい。
●GPIFのESG投資検討で企業の「変化」に関心
今週は米国では日本時間8日のアルコアから決算発表が本格化する。国内ではファーストリテなど小売決算が続くが、業績修正なども出やすいため、次第に業績相場へ意識が向かいそうである。その他、GPIFは5カ年中期計画に「ESG投資の検討」を盛り込んだ。ESGは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を集めた造語。ESGに配慮・対応している企業は、経営の持続的な成長が見込め、投資家もそれを評価することで、持続可能な社会の形成に資するとの考え方に基づく。市場では「変化」が大きなテーマとし注目されてきていることもあり、企業の「変化」も意識されやすい。
●テーマ物色も活発
その他、政府は3日の閣議で「アベノミクス」を推進するための重要3法案を決定。農協改革、雇用改革、国家戦略特区では保育所を開設しやすくする。政策に対する思惑も高まりやすく、関連するテーマ株などへの波及も意識されるところ。また、先週はLINEの再上場申請に伴う関連物色や電子部品メーカーのスマートカー向け増産報道を受けて自動運転関連などが動意をみせた。今週は6日に東芝が水素事業戦略説明会を開くことから、水素関連なども注目されそうだ
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ありがとうございます。読ませていただきました。
相場の流れもみて損切りも想定しています。