3/27の日経新聞によれば、2月の全国消費者物価指数(2010年=100)は102.5と前年同月比2.0%増。14年4月の消費増税を除くと0%。原油安が主要因だとのこと。
ということは、インフレ率は原油相場の寄与度が大きいということであり、日銀によるマネーの量で物価をコントロールすることは難しいということを示していると言えるでしょう。
ただし、量的緩和で相対的に日本円の通貨価値を落とすことには成功しているのであり、その結果、輸入物価が確実に値上がりしたことにより、国民所得が海外に流出した影響は確かだと言えます。
このまま量的緩和を続けると、こうした影響はなお有効で国民の実質所得は減る方向にあることも確かでしょう。
ここで考えなくてはならないのは、それゆえ、家計の防衛手段として、貯蓄や国債ではなく、株式や外貨投資を積極的にしましょうと言った証券業界を中心とする主張です。
本来、インフレは企業部門の先行投資が活発になって融資需要が多くなることで金利が上がる流れです。企業部門の実需投資が不活発な分を家計部門による投資需要で補わせるという誘導策はゼロサムゲーム以外の何物でもありません。
ここでゼロサムの博打ゲームが全てけしからんということではありません。グローバルマネー市場が一部の精通者に有利なアンフェアな賭博場であることが問題だと思うわけです。2013年のLIBOR金利に対する相場操縦や2014年の為替相場の指標不正操作といった大型の疑惑がそれを物語っています。