台所で包丁を研ぐ。気持ちを集中しないと手を切る。以前、何度か指を切った。研ぎ始めの3分間は、とても長いと感じる。のんびりしている30分とは、全く違う。7分くらいで終わる。
心を研ぐというが、研いでいる時は、集中の時間。包丁と砥石との角度、粉の出ぐあい。水の補給。腕の動かし方。全てが無駄の無い時間。修行の言葉が浮かぶ。まさに集中した修行である。作業の途中、研ぎ終わった後の、切れぐあいを予想する。
包丁研ぎは、何となく、おっくうである。やりたくないと思う。しかし、研いでいる時は、こんな事を考えては、いられない。もう研いでいるのだ。修行とは、こういうことだろう。おっくうである。やりたくない。しかし修行中は、そんな事を考えては、いられない。