大手の経済誌が「日経が20,000円を超えたら暴落するのか?」についての特集をやっています。
内容も結論も、聡明な読者ならお分かりのこととは思いますが、PER中心のバリエーション論、「クジラ」の効果、これからの株価の見通しなど、個人投資家の不安や不満に答える形で回答しています。
そこで、「株式投資にもっとも役立つものは?」皆様の回答はいかがでしょうか。
私は、株式投資でもっとも役に立つのは、「経験」だと思っています。上にあげた経済誌の答えも、経験があればすぐに答えられます。
先週のこの欄で、「短期は技術、長期は生き方」としましたが、確かにチャートや、ファンダメンタル分析は、投資にとって必要不可欠ですが、誰も明日を予想することはできません。
完全に読んだ予想でも、当たるほうが少ないことはしばしばあります。そのときの対応は、技術でなくて経験、つまり生き方です。これがスポーツだったら、練習ということになるでしょう。練習さえ積んでいれば、とっさの判断で体が無意識に対応します。
昨日入社したばかりの美人のアナウンサーが、今日の株価の予想をしても、誰も行動を起こしません。きっと「昨日のシカゴ先物」を見ていっていると思うからです。
先日、昔の株友と株の話をしたのですが、あまり乗ってきません。彼は、リーマンショックのとき株を辞め、不動産につぎ込んだということです。それで今は、賃貸経営で十分生活しているそうです。
「まだ株やってんの!」という言葉が、やけに耳に残ります。
私の娘は逆です。
株価が安かった3~4年前に、将来の生活の蓄えにと100万円を贈与し、三菱商事の株を買うように勧めました。その後、あまり値上がりしないような不満を漏らしていましたが、最近の値上がりで喜んでいるようです。
「もっといい株教えてよ!」最近あったときの娘からの喜びの言葉です。
株のよさをいくらいっても、動かなかった娘が動いたのは、やはりやってみたことに尽きます。これで失敗すれば、そこで留まってしまうかもしれませんが、それでいいのです。この経験から、株に関心を持てば次のステップが見えてきます。やって見ないより、やったほうがはるかに視野が広がります。
経験を積めば、誰の言葉が一番信頼できるか、投資法は長期がいいか短期がいいか、判断ができます。経験がものをいう世界は株しかないかもしれません。
なぜでしょう。
価値判断は、経験則が一番正しいことを知っているからです。理論通りに動かないことが多いのです。長期で見ると理論通りになっていても、人は短期で物を見るから仕方ないといえます。経験を積めば、「経験に頼りすぎても駄目」、「経験だけでも駄目」ということも分かってきます。
さあ、失敗に懲りずに、株に挑戦しましょう! そうして、自分なりの投資法を身につけ、悔いのない人生を送りましょうよ。