卒業、進学、就職と、春は人ぞれぞれに生活に変化がおこりやすい季節です。
例えば離婚もそうです。気持ちが決まればさっさと別れたいという心理的要因によって月別の差異が結婚ほど顕著ではありませんが、離婚は3月に増える傾向があります。
子どもの住環境の変化を第一に考え、学校が変わったり、名字が変わったりするのを、学校に上がる前や新学期が始まる直前のタイミングで・・・というケースが多く、結果、3月に離婚が増えるというわけです。
また、「ジューンブライド」と言われるわりには、梅雨時であるため6月の結婚は意外に少なく、気候の良い3月と11月に結婚式のピークが訪れます。
ところで、詩人・吉野弘氏(故人)の代表作の一つに「祝婚歌」という詩があります。
結婚する姪に餞(はなむけ)として贈られた詩で、作られてから42年が経ちます。今も披露宴のスピーチなどで新郎新婦に贈られることが多く、贈られた側の夫婦にはその後の二人の歩みにおいて大切な道しるべとなります。
改めて気づかされることがあるかもしれませんので、詩の一節をご紹介させていただきます。
~祝婚歌~ 吉野弘
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい