株式マーケットに接していますと、『持ち高調整』、或いは『ポジション調整』といった用語にお目にかかることがあると思います。
年金や生命保険のような機関投資家は、資産全体の中で株式への配分比率を一定に保つことを決めています。株価が上昇して保有株の価値(時価)が大きく上がると、「持ち過ぎ」と判断して株を売り始めます。市場ではこれを『持ち高調整の売り』と呼びます。
「持ち高」とは保有している株式や債券の規模を指す用語で、「ポジション」という言い方をすることもあります。年金や生保は「日本株に10%、海外株に10%、残りは国債」といった具合に、各資産ごとの配分比率を持っています。
市場で持ち高調整の売りが最も意識される時期は決算期末の3月です。月末が押し迫る手前の3月中旬までに順次売りが出てきます。曜日では金曜日、午後の時間帯に出やすい傾向があります。
それまで堅調だった銘柄が急に伸び悩み、首をかしげたくなる時には、持ち高調整が始まっている可能性があります。
持ち高調整の売りは、本来の投資価値とは無関係に半ば機械的に出てきます。一方、売りだけでなく、株価が下がると、比率を計画通りに維持するために買い増しに動く場合もあります。