創業者で前社長の大塚勝久会長(71)と、その長女で現社長の久美子氏(47)の父娘による主導権争いが起こっていることが明らかになった大塚家具で、久美子氏が26日、都内で会見した。
前日、勝久氏が緊急会見を行い、久美子氏が資産管理団体を違法な手段で支配したとして、株式返還を求める訴えを東京地裁に起こしたことを明らかに。この日の会見は、それに対する反論ではなく、あくまでも「中期経営計画に関する戦略説明会」とされていたが、当然のごとく注目は勝久氏との“骨肉の争い”に集中した。
久美子氏は経営計画の発表を前に、勝久氏の会見について言及。資産管理団体の問題に関しては「(勝久氏の)事実認識に、そもそも誤りがある。この件を、上場会社のコンプライアンス問題として巻き込んだことに、驚きを禁じ得ません」とした。25日に提訴した件とは別に、勝久氏は資産管理団体への社債償還請求を行っているが「その問題に関しましても、手続き中です」と説明した。
この日は、久美子氏の47歳の誕生日。本来ならば公にしたくない「身内の争い」を突っ込まれる散々なバースデーになったと考えているかと思いきや「たくさんの方に経営戦略を聞いて頂いて、うれしく思います。思わぬ誕生日プレゼントをもらった気分です」と久美子氏。体は小さいものの、肝っ玉の大きさを見せていた。
【大塚家具のこれまで】
▼2009年3月 久美子氏が勝久氏の後任として代表取締役社長に就任。
▼14年7月 勝久氏が会長と社長を兼任することに。
▼15年1月28日 取締役会での採決により久美子氏が社長に復帰。
▼1月29日 勝久氏が社内外取締役各5人、監査役2人を選任するという株主提案を提出
▼2月13日 業績悪化の責任があるとして、3月27日の株主総会後に勝久氏が取締役から退任する人事を取締役会で決定
▼2月17日 勝久氏が株主提案をしたことを発表。久美子氏側は取締役会で提案に反対することを決議
▼2月25日 勝久氏が緊急会見。久美子氏が資産管理団体を違法な手段で支配したとして、株式返還を求める訴えを起こしたことを明らかに
▼2月26日 久美子氏が会見し、会社の中期経営計画を発表