新聞の書評欄でも目にして、ピンときていた書籍を、
行きつけの書店で見つけた。
ちょいと高かったけれど、1/3まで読んでみて、
その内容にかなり満足している。
この書籍の隣には、
橋本治が書いた明治時代の文豪を評した書籍があった。
読みたいのは山々だったのだけれど、
今回は、財布の都合でどーしても「大岡昇平」の方に手が伸びた。
★「小説家 大岡昇平」
菅野昭正著 筑摩書房 2014.12.10.初版第1刷
「俘虜記」、「野火」、「武蔵野夫人」、「酸素」について、
オイラの読んだ1/3の部分には評されていた。
大岡昇平の創作ノートや投稿記事から推測された、
各作品の描き方が、詳細に検討されていた。
大岡昇平の師匠であった小林秀雄の「私小説論」にも踏み込んでおり、
いろいろと勉強になる。
なにより参考になるのは、
大岡がそれら小説の構成を、なぜ、何の目的でそのように構えたのかという
菅野の考察だ。
「俘虜記」と「野火」は、すでに手元に寄せてある。
*
併せて、トマス・ピンチョンの「V.」を読んでいる。
登場人物がかなり多く、馴れるまで読みにくいところも多々あるのだが、
やっと少し馴れてきた。
*
行きつけの書店よりも大きい某書店では、
新潮社主催の「村上さんのところ」が影響しているようで、
カズオ・イシグロのコーナーが新設されていた。
また、小説を読んだことのないけれど成功した作家Mのコーナーも、
新設されていた。
村上発言の影響力に、ただただ驚く。