(略)
翌朝遅くに目が覚めたときには、心の雲がすっかり晴れていた。
目を閉じていても、真実を見きわめることができた。
そうとも、ぼくがばかだったのだ。
この世には、苦労も失敗もない。
それがあるのは、ぼくの頭の中だけだったのだ。
ぼくの作品が出版されようがされまいが、
誰かに読んでもらえようがもらえまいが、
そんなことはどうだっていい。
ぼくが本当に望んでいるのは、
たった一文を書くことではないのか。
明日でも、千年後でもいい。
ぼくの墓石が風雨に削られ、墓碑銘が読みとれなくなったあとでもいい。
いつの日か、誰かひとりの心を揺さぶることのできる、
そんな一文を書くことではないのか。
一日に十ページを埋めようが、
単語のひとつしか書けなかろうが、
どっちだってかまいやしない。
この世界に送りこまれたことの目的を知り、
持てる力のかぎりを尽くして、それを果たす。
それこそが、”幸福”の定義なのだから。
(略)
*********************************************
★「雪山の白い虎」
デイヴィッド・ゴードン著 青木千鶴訳 早川書房 2014.12.25.初版発行
「文学よ、すべてを捧げたぼくに、救いはあるのか?」P.405より抜粋
なんて、しおらしいことを書くのだろう、デイヴィッドは。
2/15(日)には、時間がたっぷりとあったので、「雪山の白い虎」を読破することができた。
読み終わり、リクライニングチェアを立って、
煙草を吸いながら振り返ると、「白い虎」がオイラの眼に飛び込んできた。
それはいわくつきの「白い虎」だった。
この「白い虎」はスペイン酒場にて、
件のベトナム人エージェントの誕生日会の時、
帰り際にオイラが、強引に呼びつけられた腹いせに拉致してきたものだ。
2014年8月に、拉致は遂行された。
エージェントが、UFOキャッチャーで獲ってきた獲物だった。
なお、なんでこのベトナム人のことを、オイラはエージェントと呼ぶのかというと。
このベトナム人が、三浦しをんの友人だと言っていたからだ。
ところで、「雪山の白い虎」の装丁を見てみよう。
ホントウに「白い虎」が描かれているのがわかるだろう。
どーして、こんな不思議なことが起こるのだろうか?
スペイン酒場では、色々な不思議が起こった。
元新聞記者&作家である森さんは、北方謙三とその昔、付き合いがあったという。
今はなきマエストロ掲示板で、
「あなたの文章って、北方謙三みたいだわ」
と、女に化けた誰かさんからオイラは言われたことがある。
ベトナム人エージェントは、三浦しをんの友人だという。
(オイラが少々危ない奴だとわかったときには、「その話はウソだってば」と言っていたが。
読売新聞での事件の時、「彼女はやっと作家になったのだから、もう放っておいて」と
かばっていた。つまり、ホントウに二人は友人みたいだ)
そして、そんなことがあったスペイン酒場から拉致してきた「白い虎」が、
魔坂、デイヴィッド・ゴードン短編集のタイトル&装丁になっているなんて。
13の短篇からなる「雪山の白い虎」では、
現在オイラが気にかけている「脳と意識」、「LSDによる意識変性」、「オカルト的な魔術」
そんな話も材料として織り込まれていた。
どうやら、オイラに憑いている眷属たちは、
量子物理学というトンネルを通って、
村上春樹やデイヴィッド・ゴードン、三浦しをんの意識の地下2階へ、
しょっちゅう遊びに行っているらしい。
オモロイったら、ありゃしない。。
PS:そんなわけで、オイラはスペイン酒場を離れてはいけないようだ。
そういうお告げなんだろう、たぶん。
なので、このあいだスットボケて、スペイン酒場に行ってみた。
このブログを目にした地元の若い衆が、ママを脅していたようで。
(この店、潰れるってホントウなのって訊かれたらしい)
料金が、なんだか安くなっていたので、気分がイイってわけ。
ついでに、ウソなのかも知れないけれど、
村上春樹が近所に住んでいるらしいから、って言ってやったら、
「村上春樹って、わたし顔わからない」
だって。。