ヒロろんさんのブログ

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財務省解体計画


●安倍政権が昨年末に解散総選挙を打たずば、財務省主計局の圧力を撥ね返して消費税再増税を止められず、日本経済と社会は崩壊していた。

財務省主計局は、予算編成権と国税調査権及び外為特会の運用権を利用し、司法、官僚機構、政治家、マスコミ、財界、学界を支配し、国益を犠牲に省益・局益を追求し続ける。

●主計局の壟断を絶つために、国税庁と主計局を財務省から切り離し、両者および各省庁との人事交流を禁止する。前者は日本年金機構と統合し内国歳入庁とし、後者は主計庁として内閣府にぶら下げるのがよい。
 また、主計庁幹部は、スポイルズ制(回転扉制)とし、終身雇用制を外し政治任命とする。

●しかし、官僚機構とエリートが国家運営に必須である事に変わりはなく、その弊害を除くには天下りを厳禁する代わりに退官後の名誉および紐付きでない再就職機会を与え、省庁および官僚機構の利益共同体から切り離す必要がある。

◆日本経済崩壊の危機◆

昨年4月の8%への消費税増税によって、順調に回復していた日本経済は腰折れ、2014年度はマイナス成長となる見込みだ。

年末の解散総選挙の結果、今年10月に予定されていた10%への消費税増税は1年半延長された。

一方、安倍首相は解散を打つ際に、現行の景気条項を削り景気動向に係らず3年後には必ず増税する事を宣言した。

景気条項を削る事への懸念に対して、菅義偉官房長官が「3年後には消費税増税に耐えられるよう必ず経済成長を成し遂げるという意味だ。」と後講釈していたが、それならば安倍首相は最初からそういう言い方をすれば良かったはずだ。

3年後には必ず増税するというのは、財務省主計局に向けて発せられた言葉に他ならない。

安倍首相が消費税を8%へ増税したことは失策、10%への増税を1年半伸ばした事は上策、しかし景気条項を削り3年後に必ず増税する事を宣言させられた事は下策だ。

日本の財政状況を見れば、消費税増税は恐らく何れ必要であろう。しかし、それは増税に耐えられる十分な経済成長を成し遂げて後に行うべき事であり、この時期に行うのは順序が違う。

民間企業に例えるなら、業績が十分でなく負債が増大している時に、財務経理部の帳尻合わせの提案に乗って値上げを打つようなものだ。その企業は間違いなく客に見放され倒産へ向かうだろう。

政府が民間と違うのは、独占企業であり行政サービスは日本にいる限り日本政府からしか買えない上に、その代金(税金)は選択の余地なく日本政府に払わなければならない点だ。

そのため、国民は値上げ(増税)に対抗する手段として財布の紐を固く締め、消費マインドが冷え込む結果となる。

財務省主計局内では、このような道理と無関係に、増税に携わり成功させると新しい財源を発掘したとして「中興の祖」として奉られ、省内で出世し好条件での退官後の天下りが約束される。

これが彼らの行動原理となっている。

◆主計局の洗脳と支配◆

安倍首相は、増税慎重派のブレーンを複数置いている事から見ても、こういった事が恐らく分かっているのだろう。

しかし、安倍首相は、10%への増税延期を、直前の米国のルー財務長官とステグリッツ、クルーグマンの2人のノーベル経済学者等の増税懸念表明を追い風に、奇襲攻撃のような解散を打つ事によって辛うじて勝ち取った。

これがもし民主党、例えば岡田克也が首相だった場合はぞっとする。

日本経済の崩壊の危機が視野に入っておらず、嬉々として消費税再増税に突っ込んで行っただろう。

岡田は、イオン創業家の血を引く上に、東大法学部卒なのに否東大法学部卒だからというべきか、当たり前の物の道理が全く分かっておらず、財政に関しては完全に財務省主計局にマインドコントロールされている。

政界には、こういった芯からの信者と、財務省主計局のいう増税至上主義に疑問を持ちながらも政財官学マスコミに広がる増税翼賛会が怖くて、増税路線を主張せざるを得ない者がいる。

前者の岡田のような信者は、少なくとも内政においては政治家としての資質を欠いている。

加えて、徹底した改革と景気回復をしない限り消費税増税をしないと約束して政権に就きながら消費税増税法案を通した民主党国会議員達は、政治家というよりも人間としての信義を欠いており云わば人間失格者だ。

一方、後者の「イヤイヤ増税路線賛成派」は、増税路線に反対したら増税翼賛会によってスキャンダルを流され、税務調査に入られ、政治資金規正法で刺されて失脚させられる事を目の当たりにしてきて恐れている。

現在も財務省主計局の増税路線に逆らう少数派がいるが、既に財務省主計局とその取り巻きは、時機を見て彼らを刺しに行くシナリオを作り体制を組んでいる。


◆成長戦略と官僚機構◆

アベノミクスの円安政策により、松下電器はじめ製造業が製造現場の国内回帰を始めている事、近年にない大幅な原油安、東京オリンピックバブル等により日本経済に追い風が吹いている。

そういったプラス要素はあるものの、8%消費税増税によって一旦冷え込んだ消費マインドは元に戻るには長い時間が掛かり、肝心要のアベノミクス第三の矢である成長戦略が具体性に欠けるため、3年後に増税した場合、日本経済の腰折れが起きない可能性は限りなくゼロに近いと筆者は見る。

特に原油安は、米国、ロシア、サウジ等の中東産油国、過激派集団のイスラム国が、虚実皮膜の駆け引きの結果起きている現象であり、そういった国際情勢のバランスによって一転し一気に原油高へ向かうリスクを十二分
に考慮しておかなければならない。

安倍政権は成長戦略として、規制改革、ターゲティングポリシー(特定新規産業の政府主導)、「労働と社会保障の一体改革」により注力し、しっかりとしたロードマップを作り実行し、増税を最小限に抑える経済成長を果たさなければならない。

規制改革に於いては例えば農家を守るのではなく食糧安保を守る改革を、ターゲティングポリシーに於いては政府主導について説明責任と結果責任の仕組み構築をしなければならない。

また「労働と社会保障の一体改革」に於いては単なる帳尻合わせの「税と社会保障の一体改革」のようなお題目を排し、若年、女性、老年者等の就労機会拡大とWinwinの労働市場流動化を図り、出生率上昇と年金財政改善、労働力の適材適所化による国際競争力強化を齎すよう構造を変革しなければならない。

一方、悪しき支配体制で内患の元凶となっている財務省は解体する必要がある。

冒頭に掲げたように、主計局の壟断を絶つために、国税庁と主計局を財務省から切り離す。

両者および各省庁との人事交流を禁止し、前者は日本年金機構と統合し内国歳入庁とし、後者は主計庁として内閣府にぶら下げるのがよい。

しかし、もしこれらを実行しようとすれば財務省は組織防衛のため自爆テロのような事を含め、信じられないようなあらゆる手段を使い対抗してくるだろう。

財務省に限らず官僚機構とエリートが国家運営に必須である事に変わりはない。

しかし、彼らは自らの権力及び既得権維持と組織防衛のために、国益を犠牲に省益、局益、官僚益を追求し続ける。

その弊害を除くには天下りを厳禁する代わりに退官後の名誉および紐付きでない再就職機会を与え、省庁および官僚機構の利益共同体から切り離す必要がある。

例えば、上級国家公務員には、一定の条件の下に司法資格、または博士号に準ずる国家資格として「行政企画士」等を新設して授与し、司法、企業、大学等への再就職機会を広げる等も考えられる。

日本を取り巻く外患の筆頭は、言うまでもなく中国による日本を含むアジア侵略意図である。

一方、内患のそれは財務省主計局を頂点とし、司法から民間にも広がり正当な批判を封じる既得権複合体ピラミッド構造である。

それは、時期を選ばぬ8%消費税増税という凡そ合理性を欠く政策を大合唱で実行し、日本経済を危機に追い遣ったことで今更ながら明白になった。

この構造を壊し、お上頼りの国民を惰眠から覚ます事なければ、日本の衰退は避けられまい。
1件のコメントがあります
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    jojuさん
    2015/2/10 23:51

     成長戦略も官僚機構改革も経済に速攻性はないし、そこに突っ込むだけでは潰されるだけ。


     日銀法の改正、改正が無理ならば黒田総裁の尻叩きで金融緩和を強化させるのが先決でしょうね。

     金融緩和強化で景気が上がれば政権基盤は強まり、日銀法改正に動きやすくなるし、そうやって金融緩和、景気浮揚を盤石化出来れば、高支持率持続で、官僚機構改革をやりやすくなる。

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