= 『もち合い放れにつけ』 =
株式マーケットに接していますと、『もみ合い』という言葉を見聞きすることが多いと思います。「もみ合う」には人と人が押し合ったり、取っ組み合うとの意味があります。株式マーケットでぶつかり合うのは買い手と売り手です。
双方の力が釣り合うと株価は上下どちらにも動けません。株価が前日の終値を挟んで動き、方向感に欠ける状態を『もみ合い』と言います。
円安・ドル高のニュースと中国経済の減速を示す指標が同時に出たとします。前者が日本株に追い風だと思う人は買い、後者を不安に感じる人は売ります。こうした売買がぶつかって、もみ合いが起きます。
日々の動きだけでなく、数週間、時には数カ月に渡って売りと買いがせめぎ合い、一定の幅から株価が抜け出ないこともあります。こうした場合には「もちあい」という表現が使われます。レンジ(範囲)相場と呼ぶこともあります。
相場格言の一つに『もち合い放れにつけ』とあります。株価が膠着状態から抜け出すのは、がっぷり組み合っていた売りと買いのバランスが崩れる時です。その際は上げるにせよ下げるにせよ、「放れた」方向に勢いが付くという経験則があります。