瓜生 憲さんのブログ
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アナリストコメントの基本
暑くなってきました。と言っても、私のいる東京の話です。
『みんなの株式』の利用者は、お蔭様で全国にいらっしゃるので、「前から暑いよ」とか、「まだ涼しいよ」とか、色んな声が聞こえてきそうです。
今日は「これ」と言った話題がないので、お得意のアナリスト話をさせていただきます。
これもアナリスト時代に学んだことシリーズですが・・・いつシリーズ化されたのか?なんて質問は受け付けておりませんので、宜しくお願い致します。
と言っても、世の中的にも一般的な話かもしれませんが、「話は常に論点を3つにまとめる」です。これは口頭で伝える時もそうですし、文章に書く時も例外ではありません。
以前、証券会社の朝会(当日、営業マンにお客さんに話してもらいたいことをアナリストが説明する会)の話をしましたが、その朝会でアナリストは常にこういう話し方をします。
例えば、決算に関するコメントです。
『○○工業、証券コード○○○○、現在のレーティングは買いです。
昨日、○○が○○期の決算を発表しました。今回の決算は、ポジティブです。
今日はこの銘柄をぜひ推してもらいたいと思います。理由は3つあります。
第1に、コンセンサス数値を上回っていること。
今回発表された決算は、会社の公表計画値は無論、市場コンセンサスをも上回っております。なお、うちの予想は○○で、乖離幅は他に比べて限定的ながら、上回られた点において例外ではありません。投資家とのヒアリングにおいても、ここまでの期待値は高くなかったので、“サプライズ”となる可能性が高いと考えます。
第2に、業績のけん引役が○○であること。
今回の決算がサプライズとなった主因は主力商品の○○が売れたことですが、某商品は来期以降、高利益のソフト販売に繋がる可能性が高いため、来期は更なる利益成長が見込まれます。過去の事例から見ても、会社が同時に発表した来期計画の機器販売後の1台当たりのソフト販売高は保守的で、更なる利益成長が見込まれると思います。それを前提としたバリュエーションは、PERで○○倍、EV/EBITDA倍率は○○倍と、ともに業界平均を下回る水準となります。
第3に、下値リスクが限定的であること。
主軸商品○○の需要が今回の決算値まで見込まれていなかったこともあり、ここ直近の値動きとしては、かなり限定的となっています。更に同社の配当施策から、これ以上下値に振れると配当利回りで底値が固定されることが予想されます。
以上のことから、○○工業の「買い」推奨を継続し、積極的な売込みをお願いしたいと思います。
理由は、第一に、昨日の決算がポジティブサプライズとなること。
第二に、サプライズの主因が来期の更なる利益成長に繋がる○○であったこと。
そして第三に、高配当で下値リスクが限定的であること。
宜しくお願い致します。」
といったことを1分ちょっとくらいで話します。
その後、営業マンが気になる点を質問して、1つのトピック当たり合計3分くらいの議論になります。
お気づきだと思いますが、ポイントを3つに絞るほかに、各発言においては常に結論を最初に端的に述べることが基本です。
決算期のような繁忙期は特にそうですが、朝会では沢山のアナリストが自分の一押し銘柄を営業マンに話してもらえるように一生懸命プレゼンテーションをします。
その中で営業マンに自分のネタを取り扱ってもらうためには、まず凄い情報であると思ってもらうこと、そして何よりも覚えやすく、話しやすいこと。
これは、口コミマーケティングにも通じるものがありますが、伝達しやすい、もしくは伝達したいメッセージであることが重要ということです。
日々、僕の日記を見て、学んだことが全然実行されていないと思うかもしれませんが、それは心の中にそっと仕舞って置いてください。
最後に宣伝させてください。
現在、皆でFX版『みんなの株式』、名づけて『FX@みんかぶ』を作るためのコミュニティで参加者を募集しています。
詳細は7月23日の僕の日記(下記URL)を参照ください。
http://minkabu.jp/blog/show/6597
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起承転結すら考えていない始末。(^^;)ゞ
とりあえず、笑ってごまかしておきます!
俺なら絶対聴いてないなぁ。。。
(印象に残った熟語しかMEMOってないかも)
私の日記はそこまで全然到達してないっす。
システムエンジニアなんで文章難しいし、絵や図を出すかなぁ。。。(くるしまぎれかも)
アナリストって大変な職業なんですね。。。(^^ゞ
勉強になります。
日記をこんな感じで書くのは、それはそれでつまらない内容になるかもしれません。しかし、Picksで他の方の賛同を得た時など、こういう書き方をすると伝わるケースもあります。
みやまなさん
これはあくまでも機関投資家営業をやっている方に対する話なので、こういう口調になっています。
補足で申し上げると理由を3つ挙げましたが、1つ目がニュース自体について、2つ目がニュースのメカニズムとそれにより将来への影響について、そして3つ目がリスクとなります。株価形成においては、この3つがファンダメンタルズ上の主たる要素となります。
これに出来高や貸残等、需給上の影響が加味されていく形となります。
ウィルキンソンさん
アナリストのトークでも、それはありがちです・・・。
勉強になります。
でも難しいことには携帯ビジネスのレポートと同じで変わりがないですね。
私としては売りのコメントは、”生活の為少し売らせて頂きます”って感じが素人らしいと思います。
きっちり売り理由を書く必要が有るときは、社長のこのレポートを参考にさせて頂きます。
しかし、問題は公開議論で批判される事に会社経営者がどう思うかですね。
度量がある方かどうかも考えて書かないと、便所の落書きや総会屋じゃないんだからまずいかと思います。
こんにちは!!やっと天気も良くなってきましたね。
仰る内容はアナリストだけでなく、およそ文章を書く、
説明をすることがあれば気をつけるべき内容ですよね。
最近、わたくしもメールが分かりづらいと怒られることも
しばしばなので、意識していきたいと思います。。
難しかったですかね・・・。
すみません、反省です。
でも、「売り」の理由ですが、「売り」は必ずしも会社を否定するものではありません。一般的には(一部の上場廃止に近づく銘柄を除き)、あくまでも株価と実態にギャップが発生した際、より正確に言うと株式市場において過大評価をされた際に「売り」の判断をされるものです。
また公開企業の経営陣は、広く資金調達が可能なメリットを得るために、公開しているので、その中では広く投資家の意見を聞く必要があると思いますよ。
無論、そうは言っても、誹謗中傷は駄目ですが・・・。
にんさん
僕もたまに日記が長いと怒られます・・・。